住宅ローンとリフォームローンの違いとは?リノベーションをする前に知っておきたいローンの基本知識について徹底解説!
高額な費用がかかるリノベーションでは、金融機関からお金を借入れて支払いをする方がほとんどです。
特に中古物件を購入してリノベーションする場合は、物件を購入するための費用も追加でかかるため、ローンを検討する方が多いでしょう。
手元にまとまった資金がなくても物件を購入したり、リノベーションができるローンは便利な仕組みですが、お金を借りる前に押さえておくべき注意点もあります。
注意点を知らずにローンを組んでしまうと後から損をしてしまう場合もあるため、ローンを組んでリノベーションをしようと考えている方は本記事を参考にしてください。
リノベーションに使えるローンは住宅ローンとリフォームローンの2つ
住宅に関するローンと聞くと「住宅ローン」を思い浮かべる方も多いと思いますが、リノベーション時に借りることができるローンは住宅ローン以外にリフォームローンがあります。
ここでは、それぞれのローンについて説明していきます。
住宅ローンとリフォームローンの違い
住宅ローンとリフォームローンの違いは次の通りです。
住宅ローンとは?
住宅ローンとは住宅を購入する際に利用することができるローンのことです。
また、住宅ローンは「民間ローン」と「公的ローン」に分けられます。
民間ローンは各金融機関が取り扱っているローンであることに対して、公的ローンは住宅金融支援機構のフラット35や各自治体など、公的な機関が行っている融資のことを指します。
住宅ローンは購入した土地や建物に抵当権を設定し、その価値に応じてお金を貸してもらえるため、高額の借入れも可能です。
ただし、万が一返済ができなくなった際は貸主が土地や建物を売却してローンの残債に充てます。
リフォームローンとは?
リフォームローンは名称の通り、リフォームやリノベーションにかかる費用を借りるためのローンで、すでに所有している家をリノベーションする場合や新たに中物件を購入してリノベーションする場合にも利用することができます。
ローンには有担保型と無担保型の2種類がありますが、リフォームローンは無担保型のローンに分けられます。
返済ができなくなってしまったときの担保がない状況でお金を借りるため、住宅ローンなどの有担保型ローンと比べると金利が高くなり、利息を多く払わなければなりません。
リフォームローンの中には有担保型のものもありますが、多くは無担保型ローンに分類されます。
リノベーション費用は住宅ローンと一体型で借りるのがおすすめ
すでに所有している物件をリノベーションする場合はリフォームローンを借りなければなりませんが、新たに物件を購入してリノベーションする場合は、物件取得費用にローンの費用を含めることで住宅ローンを利用できます。
このようなローンの組み方を一体型住宅ローンと言います。
前述した通り、住宅ローンは有担保型のローンのため金利が低く、返済期間も最大35年と長いので生活の負担にはなりにくいです。
中古物件をリノベーションしたいと考えている方は、物件を購入すると同時にリノベーションを行うようにしましょう。
一体型住宅ローンのメリット・デメリット
一体型住宅ローンですが、メリットがある一方でデメリットもあります。
ローンを借りた後に後悔してしまわないよう、あらかじめメリットとデメリットを確認しておきましょう。
メリット
一体型住宅ローンのメリットは、「金利が低く」「返済期間が長い」ことです。
平均2〜5%のリフォームローンに対して、住宅ローンはどの機関から借りるかにもよりますが、0%台と極めて金利が低いです。
同じ金額を借りたとしても返済する利息に大きな差が出るため、金利の低さが最大のメリットと言えるでしょう。
デメリット
一体型住宅ローンのデメリットは、万が一返済不能となってしまった場合に設定していた抵当権が実行され、土地や建物を差し押さえられてしまうことです。
これまで返済してきたお金やこだわりを持ってリノベーションしてきた住まいは戻ってきません。
また、急に住まいを失うこととなるため、新しい住居を探さなければならないでしょう。
ただし、住宅ローンの審査は厳しく、無理なく返済できる金額でなければ借りることができないため、基本的には返済ができなくなるということはありません。
【ケース別】ベストなローンの選び方
ここからはベストなローンの選び方についてケース別に紹介します。
中古物件を購入してリノベーションする場合
戸建てやマンションを中古で購入してリノベーションする場合は、一体型住宅ローンで資金を用意するのがおすすめです。
ローンを一本化できるため、返済の管理が簡単になるだけでなく、前述した通り金利も低く抑えることができます。
ただし、住宅購入と同時にリノベーションにかかる費用も借入れるため、物件探しと並行してリノベーションの計画も進めなければなりません。
また、住宅を購入してもすぐに入居することができず、リノベーション工事をしている期間は仮住まいをしなければならないため、その間の生活費も計算に入れておくと良いでしょう。
所有物件をリノベーションする場合
次に所有物件をリノベーションする場合について紹介します。
所有物件をリノベーションする場合は、住宅ローンの返済が残っているかによってベストな選択肢が変わります。
住宅ローンの返済が完済していれば、当然リノベーションにかかる費用をリフォームローンで借りなければなりません。
ですが、住宅ローンが残っている場合は、現在借りている機関から別の機関に借り換えることで、リノベーションにかかる費用を住宅ローンに含めて借りることができます。
ただし、借り換えをするためには、多くの書類を準備する必要があるだけでなく、もう一度審査を受ける必要があります。
土地や建物の価値は年数が経つごとに下落しているため、新築で購入した時と同じ評価は受けられないので注意しましょう。
一体型住宅ローンを借りるときの注意点
中古物件を購入してリノベーションする場合は一体型の住宅ローンを利用することをおすすめしますが、融資を受けるにあたって押さえておくべき注意点がいくつかあります。
一体型住宅ローンの利用を検討している方は、これから紹介することを必ず覚えておいてください。
審査に通らない可能性がある
住宅ローンの審査は厳しく、借入金額と収入、担保となる土地や建物の価値が釣り合っていないと審査に通らない場合もあります。
誰でも借りることができるとは限らないことを理解しておきましょう。
審査が通らなくなければ物件を購入することができないため、リノベーションの計画も進めることができません。
ローンの審査には事前審査と最終審査の2段階あるため、早い段階で事前審査を行い、いくらまで借りることができそうかあらかじめ把握しておくことをおすすめします。
ローン審査に必要な書類をあらかじめ用意する
住宅ローンの審査を受けるためには、さまざまな書類を用意する必要があります。
会社や行政から発行してもらわなければならない書類もあるため、早めに行動するようにしましょう。
ローンの審査で必要となる書類は以下のようなものが挙げられます。
・顔写真付きの本人確認書類(免許証やパスポートなど)
・印鑑証明書
・収入を証明できる書類(源泉徴収や納税証明書)
・物件の間取り図
・資金計画
・リノベーション費用の見積もり
書類の準備や不備でスムーズに進められないということがないよう、計画的に書類の準備をしてください。
物件の購入にかかる必要な諸経費を確認する
物件の購入は物件価格の支払いだけでなく、契約に関連する諸経費を支払わなければなりません。
主な諸経費は以下の通りです。
・登記費用
・着工金
・中間金
これらの諸経費もローンに含めて借りることはできますが、支払いが必要なタイミングはローンのお金が振り込まれる前となるため、自己資金として準備しておきましょう。
受けられる優遇制度を確認する
住宅ローンを借りる際は「住宅ローン減税」などの優遇制度を受けることができます。
優遇制度を活用することで費用の負担を軽減できるため、情報を知らずにローンを組んでしまうと損をしてしまうでしょう。
また、各自治体でそれぞれ優遇制度を設けている場合もあるため、リノベーション会社に一度相談することをおすすめします。
まとめ
中古物件を購入してリノベーションをしたいと考えている方は、リノベーションにかかる費用を物件取得費用に含めて住宅ローンを借りる方法をおすすめします。
ただし、物件探しとリノベーションのプランニングを同時並行で進める必要があるため、今回紹介したことを参考に流れを押さえておいてください。
また、ローンの事前審査を行うことで予算も決めやすくなるため、必要書類を揃えて手続きを早い段階から進めましょう。
ローンについては難しい内容も多いため、自分で解決しようとせず専門知識を持つ人に相談してみてはいかがでしょうか?