リノベーション用の中古マンションを購入するならどのくらいの年収が必要?無理ない資金計画の立て方
リノベーションを前提に中古マンションの購入を考える際、「どのくらいの年収があれば無理なく実現できるのか」という疑問を持つ方は多いでしょう。
購入費用に加え、リノベーション費用やローンの返済計画も考慮する必要があります。
本記事では、年収に応じた無理のない資金計画の立て方や予算配分のポイントを解説します。
無理のないマンション購入を実現するためのポイントを、ぜひ参考にしてください。
マンションを購入する際の目安となる年収
マンションを購入する際、自身の年収がどの程度の物件に適しているかを把握することは重要です。
そして、目安となる年収を算出するためによく用いられるのが「年収倍率」という考え方です。
年収倍率とは、年収に対する住宅購入価格の比率を示した指標で、住宅ローンの借入可能額を予測する際の参考になります。
一般的には年収の5~7倍程度が無理のない範囲と言われていますが、実際にはローン審査基準や生活費、その他の支出状況によって異なります。
この指標を活用することで、購入計画を立てやすくなるでしょう。
「年収の5〜7倍」を基準として考えると、購入可能な物件価格の目安は以下の表のとおりになります。
年収 | 目安となる物件価格 |
300万円 | 1,500万〜2,100万円 |
400万円 | 2,000万〜2,800万円 |
500万円 | 2,500万〜3,500万円 |
600万円 | 3,000万〜4,200万円 |
700万円 | 3,500万〜4,900万円 |
800万円 | 4,000万〜5,600万円 |
900万円 | 4,500万〜6,300万円 |
1,000万円 | 5,000万〜7,000万円 |
マンション購入時期の目安
マンションの購入を検討する際、多くの方が「購入するタイミング」に悩むものです。
購入時期を見極めるためには、一般的な購入者の年齢や世帯年収といったデータを参考にすることが役立ちます。
これらの平均値を知ることで、自分の状況と照らし合わせ、適切な時期や計画を立てやすくなるでしょう。
次に、具体的な平均データについて詳しく解説します。
マンション購入者の平均年齢
まず、住宅購入全体の平均年齢について見ていきましょう。
2023年度の「フラット35利用者調査」によれば、住宅ローンを利用した購入者の平均年齢は44.3歳で、前年度より1.5歳上昇しています。
年齢構成比では30代が30.4%と最も多く、次いで40代が27.6%、50代が17.6%、60代が13.9%、そして30歳未満が10.6%という結果でした。
中古マンションに絞ると、特に30代と40代の割合が高く、この年代層はライフスタイルが確立しつつあることから、リノベーションを取り入れるケースも多いと考えられます。
また、平均年齢が上昇傾向にある背景には、「人生100年時代」における住み替えニーズの高まりや、より長期的視点で住宅環境を見直す意識の増加が挙げられるでしょう。
リノベーションの活用は、既存の住まいに価値を加える手段として、これらの年代層にとって魅力的な選択肢となっています。
マンション購入者の平均世帯年収
2023年度の「フラット35利用者調査」によると、住宅ローンを利用した購入者の平均世帯年収は666万円となっています。
これは前年度より若干の増加が見られる数値で、住宅購入に際して一定の経済的余裕が求められることを示しています。
年収構成比では、600万円未満の世帯が全体の約40%を占め、次いで600万~800万円未満の世帯が約25%、さらに800万~1,000万円未満の世帯が約15%という結果でした。
こうしたデータから、比較的幅広い収入層が住宅購入を検討していることが分かります。
中古マンションに限定した場合も同様の傾向が見られますが、リノベーション費用を追加で考慮するケースが多いため、世帯年収が700万円以上の層が中心となることが一般的です。
無理ない資金計画の立て方
ここからは無理ない資金計画を立てる際に確認しておくべきポイントについて解説します。
借入可能額を確認する
リノベーションの資金計画を立てる第一歩は、自分がどれだけの金額を借りられるかを確認することです。
借入可能額は、年収や勤続年数、既存の借入状況、年齢などの条件によって異なります。
金融機関では、年収の5~7倍が目安とされていますが、個人の状況によって変動するため、事前審査を利用するのがおすすめです。
事前審査を行えば、具体的な借入可能額を知ることができ、現実的な資金計画を立てる基盤が整います。
事前審査による確認を通じて、資金の上限を把握しておくことが重要です。
返済可能額を確認する
借入可能額が分かったら、次に「返済可能額」を確認しましょう。
金融機関が提示する借入可能額は、必ずしも無理なく返済できる金額とは限りません。
月々の返済額は、収入の20~25%以内に収めるのが一般的な目安です。
また、将来的なライフイベントや収入変動にも対応できるよう、余裕を持たせることが大切です。
住宅ローンのシミュレーションを活用し、金利や返済期間を考慮しながら、自分の生活を圧迫しない返済計画を立てることがリスク回避に繋がります。
中古マンションの価格相場を確認する
購入を検討するエリアや物件タイプに合わせて、中古マンションの価格相場を確認することは欠かせません。
同じエリア内でも、駅からの距離や築年数、広さなどによって価格が大きく異なります。
不動産情報サイトや地域の不動産会社に相談することで、最新の相場を把握することが可能です。
また、希望エリアでどの程度の予算が必要かを具体的に知ることで、物件探しの方向性が定まり、無駄のない計画が進められるようになります。
リノベーションにかかる費用を知る
リノベーション費用は、物件購入費とは別に計画する必要があります。
費用は、工事の規模や内容、選ぶ素材や設備によって大きく変動します。
目安としては、フルリノベーションの場合、平米単価15~20万円程度が一般的です。
ただし、古い建物や特殊な構造の場合は、追加費用が発生する可能性もあるため、余裕を持った予算を設定することが重要です。
リノベーション会社に見積もりを依頼し、具体的な費用を確認することで、現実的な資金計画が立てられます。
【費用別】中古マンションのリノベーション事例
ここからは株式会社プロシードデザインが手がけた中古マンションのリノベーション事例を費用別に紹介します。
〜1,000万円のリノベーション事例
お子様の成長に伴い、手狭になった賃貸マンションを離れ、新居を探し始めたお客様の物件選びからリノベーションまでをサポートした事例です。
バルコニーに面したエリアは、もとの3部屋を統合し、家族が集う開放的なLDKに間取り変更しました。
また、和室だったスペースはダイニングへ改装し、天井を下げてキッチンと一体感を演出しています。
奥には、勉強や家事に使える便利なワークスペースも配置し、キッチン横にはパントリーを設置し、家事がスムーズになる動線を確保しました。
1,000万円〜のリノベーション事例
こちらは約100㎡の広い専有面積と中央バルコニーから差し込む自然光が特徴の住まいです。
素材にこだわるご夫婦の理想を叶えるため、木材やキッチンの素材選びを一緒に進め、開放感あふれる住まいを実現しました。
元々のリビング、台所、洋室をつなげて広々としたLDKに変更しています。
さらに、中央にはデザイン性と機能性を兼ね備えたアイランドキッチンを配置し、空間全体に統一感を持たせました。
また、一角には畳の小上がりを設け、来客時に活用できるゲストルームとしても便利なスペースを確保しています。
まとめ
リノベーションを前提とした中古マンション購入は、年収や返済計画、リノベーション費用を総合的に考慮した資金計画が鍵となります。
年収の5~7倍を目安に無理のない物件価格を検討し、返済額は収入の20~25%以内に収めるよう調整しましょう。
また、リノベーション費用は物件購入費用とは別途計画し、工事内容や規模に応じた見積もりを確認することが重要です。
適切な資金計画で、理想の住まいづくりを実現してください。