リノベーションと建て替えの違いとは?メリットとデメリットを徹底比較!
時間の経過による劣化や家族構成の変化に伴い、マイホームの修繕が必要になることがあります。
その際、リノベーションを選ぶべきか、それとも建て替えを検討すべきかで迷ってしまう方も少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は、リノベーションと建て替えの違いや、双方のメリット・デメリット、適したケースについて詳しく解説します。
ご自身の住まいにとって最適な選択肢を見極めるためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。
リノベーションと建て替えの違い
まずはリノベーションと建て替えの違いについて理解しましょう。
以下は、それぞれの違いをまとめた表です。
項目 | リノベーション | 建て替え |
意味 | 既存の建物を活用して、規模の大きな改修や改装を行うこと | 現存する建物を完全に解体し、新しい建物を建設すること |
構造体や基礎 | 残す | 残さない |
内外装や設備機器 | 必要に応じて交換するケースが多い | 必ず新しく交換する |
間取りの自由度 | 柱や壁の配置によって制限される場合がある | 自由度が高い |
費用 | 約15~20万円/㎡ | 約15~30万円/㎡ |
解体工事 | 必要に応じて部分解体を行う | 建物全体を解体する必要がある |
建築確認申請 | 木造2階建て以下で増築がなければ基本的に不要 | 必ず申請が必要 |
工期 | おおよそ2~4ヵ月程度 | おおよそ6~12ヵ月程度 |
リノベーションと建て替えの意味について詳しく解説します。
リノベーションとは
リノベーションとは、既存の建物を活用しながら、大規模な改修や改装を施す方法です。
設備や内外装の交換に加え、間取りの大幅な変更や増築を行う場合もあります。
既存の構造を生かしつつ、新しい機能や価値を付け加えられるのがリノベーションの最大の特徴です。
リノベーションを行うことによって、住まいを現在のライフスタイルに適した形に一新することができます。
建て替えとは
建て替えは、現在建っている建物を解体し、更地にしたうえで、新築の建物を建設することを指します。
内外装や設備だけでなく、基礎や構造体まですべて新しく作り直します。
ただし、建て替えを行う際には、建築基準法や都市計画法などに適合していることを確認するため、「建築確認申請」が必要です。
建て替えを実施することで、以前の住宅とは全く異なる、新しい住まいを手に入れることができます。
リノベーションするメリットとデメリット
ここからはリノベーションするメリットとデメリットについて解説します。
リノベーションのメリット
リノベーションには、以下のような6つのメリットがあります。
・既存の建物をそのまま活用できる
・愛着のある建物を壊さずに維持できる
・古さを生かした味わい深いデザインが可能
・リノベーションする箇所を自由に選べる
・工期が比較的短い
・費用や税負担を軽減できる
リノベーションでは建物を解体する必要がないため、気に入っている部分をそのまま残すことができます。
そのため、思い入れの深い家をそのまま活用したいと考える方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
さらに、築年数が経過した建物ならではの趣を生かし、古民家風やレトロなデザインにも仕上げられます。
また、予算に応じてリノベーションする箇所を選べるほか、段階的に工事を進めることも可能です。
リノベーションのデメリット
既存の建物をリノベーションする場合には、次のようなデメリットが挙げられます。
・希望通りの間取りが実現できない場合がある
・工事中に予想外の追加費用が発生する可能性がある
リノベーションでは、既存の建物を基に工事を行うため、間取りを全て希望通りにすることが難しい場合があります。
特に、構造上撤去できない柱や壁がある場合には、それらを考慮した間取りの設計が必要です。
さらに、工事が進む中で、追加の作業が必要になる可能性があります。
例えば、壁や床を剥がして初めて、構造体に劣化や損傷が見つかった場合は、耐震補強や断熱材の交換といった予定外の工事が必要になるでしょう。
建て替えするメリットとデメリット
ここからは建て替えするメリットとデメリットについて解説します。
建て替えのメリット
既存の建物を解体して建て替えを行うことには、以下の3つのメリットがあります。
・理想的な間取りを実現しやすい
・資産価値が向上する
・地盤の強度を確認できる
建て替えでは、新築住宅と同様に間取りを自由に設計できるため、理想の住まいを形にしやすい点がメリットです。
例えば、個性的なレイアウトや大幅な部屋数の調整を求める場合でも、柔軟な対応が可能です。
さらに、新しく建て替えた住宅は新築として扱われるため、建物の資産価値が高まります。
また、建て替え時には必ず地盤調査が実施されるため、地盤に関する不安がある場合でもしっかり確認が行えます。
建て替えのデメリット
既存の建物を解体して新たに建て替える際には、以下のようなデメリットがあります。
・リノベーションよりも費用負担が大きい
・工期が長くなり、仮住まいが必要
・建築基準法を満たさない場合、建て替えが不可能
建て替えは、リノベーションに比べてコストが高くなりやすいです。
解体費用や建築確認申請の手続き費用に加え、不動産取得税や登録免許税といった税金も負担する必要があります。
また、建物評価額が上昇するため、固定資産税や都市計画税が増額する可能性も考慮しなければなりません。
さらに、解体工事や地盤調査、基礎工事、上棟工事など多岐にわたる工程が必要となるため、工期が長くなる傾向にあります。
その間、仮住まいへの引っ越しが必須となるため、物件探しや費用も事前に準備しておきましょう。
リノベーションと建て替えのどっちがおすすめ?
リノベーションと建て替えの違いについて把握したとしても、どちらを選択すべきか迷ってしまう方も多いでしょう。
ここでは、リノベーションと建て替えが向いているケースについて解説するので、判断基準の参考にしてください。
リノベーションが向いているケース
リノベーションが適しているのは、以下のような場合です。
・現在の家族構成に合った間取りや設備にしたい
・新築のようなモダンで洗練されたデザインを求めている
・自分たちのライフスタイルに最適な住まいに変えたい
リノベーションは、主に自分たちが快適に過ごすための住まい作りに適しています。
リノベーションを行うことで、家族のニーズにぴったりの間取りや設備に変更することができ、耐震補強や断熱工事を取り入れることで、住まいの性能や快適さも向上させることが可能です。
さらに、内装や設備をすべて新しくすれば、新築のようなスタイリッシュでおしゃれな住まいを手に入れることができます。
そのため、子供や孫に引き継ぐことを前提とせず、現代のライフスタイルに合わせた住空間を作りたい方におすすめです。
建て替えが向いているケース
建て替えが最適な場合は、次のようなケースです。
・建物の構造部分を一から作り直したい
・今後、長期間にわたって住み続ける予定がある
建物の構造が老朽化しており、基礎や地盤に問題がある場合は、建て替えを検討することが望ましいです。
特に、地盤が不安定で基礎の強化が必要な場合、建て替えによって安心できる住まいが作れます。
また、これから先数十年以上住み続ける予定で、土地を譲る予定がない場合や二世帯・三世帯住宅を計画している場合は、建物の耐久性や性能を十分に考慮した新築への建て替えが適しています。
ただし、これらの条件に当てはまらない場合、リノベーションでも十分に対応できることが多いため、まずはリノベーションの可能性を検討し、実現できない要望があればその後に建て替えを考えても良いでしょう。
まとめ
リノベーションと建て替えには、それぞれ異なるメリットとデメリットがあり、どちらが最適かは一概に言えません。
住宅の状態や個々のニーズに合わせて慎重に判断することが大切です。
また、リノベーションか建て替えを決める際の参考になる基準をお伝えしましたが、自己判断に不安がある場合は、経験豊富な工務店に相談するのが良いでしょう。