2024.3.22

2025年4月の法改正によるリノベーションへの影響とは?建築確認が必要なケースや注意点を紹介

建築確認申請は、建築物に違法性がないことを確認するために義務付けられており、新築の住まいを建てる際は必ず必要です。

 

一方で、中古住宅をリノベーションやリフォームする際は、建築確認申請が必要か気になっている方も多いのではないでしょうか?

 

建築確認申請に違反してしまうと、設計通りに工事を進められず、最悪の場合罰則を受けてしまうかもしれません。

 

そこで今回は、リノベーションにおける建築確認申請の必要・不必要について紹介します。

 

また、建築基準法が2025年4月に法改正されるため、注意点についても解説します。

 

建築確認申請とは?

建築確認申請は、建築基準法に基づいて義務付けられた手続きです。

 

建物の新築時に、計画が各種法令や条例に適合しているかを公的に審査することが目的です。

 

着工前に提出する設計図や関連資料をもとに、建築基準法、都市計画法、その他の条例に適合しているかどうかを、地方自治体の建築主事または指定確認検査機関が詳細に確認します。

 

【建築確認申請から引き渡しまでの流れ】

  1. 1.建築計画の作成
  2. 2.建築確認申請の提出と「確認済証」の受理
  3. 3.建築着工
  4. 4.中間検査の実施と「中間検査合格証」の受理
  5. 5.工事完了
  6. 6.完了検査の実施と「検査済証」の受理

 

以上のように、着工前・工事中・完了後の3段階で審査を行い、建物が法令違反をしていないかを確認します。

 

建物を安全に利用できるようになるため、建築確認申請は重要な役割を果たします。

 

また、新築だけでなく、リノベーション工事でも内容によっては建築確認申請が必要になる場合があるため、注意が必要です。

 

建築基準法における建物の分類

建築基準法の第六条では、建物を「第一号〜第四号」に分類しています。

 

また、第一号〜第四号の定義は以下のとおりです。

第一号建築物 映画館、病院、学校、百貨店などの特殊な用途で使用される建築物で、これらの用途に供される部分の床面積が100㎡を超えるもの
第二号建築物 木造の建築物で3階建て以上、または延べ面積が500㎡超え、高さが13m以上もしくは軒の高さが9mを超えるもの
第三号建築物 木造以外の構造で2階建て以上の建築物、または延べ面積が200㎡を超えるもの
第四号建築物 第一号から第三号までに該当しない建築物に加え、都市計画区域や景観法などで規定された区域内の建築物

 

一般的な木造2階建ての一般住宅は第四号に属しています。

 

建築確認が必要なリノベーションケース

以下は、中古物件をリノベーションする際に建築確認が必要な主なケースです。

 

  • 住居の増築
  • 屋根の葺き替えやカバー工法
  • 外壁全体をリノベーション
  • スケルトンリノベーション

 

それぞれについて詳しく解説します。

 

住居の増築

増築を行う際は、建築物の種類にかかわらず、原則として建築確認申請が必要です。

防火・準防火地域 増築を行う場合
防火・準防火地域以外 10㎡を超える増築を行う場合

 

特に、都市部や市街地の建物が密集している地域では、火災の拡大を防ぐため、「防火地域」や「準防火地域」に指定されていることが多く、これらのエリアで増築を行う場合は基本的に確認申請が義務付けられています。

 

一方、これらの指定を受けていない地域では、延べ床面積が10㎡を超える増築に限り、確認申請が必要となるのが一般的です。

 

屋根の葺き替えやカバー工法

四号建築物以外の住宅では、屋根の葺き替えやカバー工法を行う際、建築確認申請が必要となる場合があります。

葺き替え ・下地まで替える場合

・主要構造部を半分以上交換する場合

カバー工法 ・施工後に荷重が増加する場合

 

しかし、下地を変更せずに行う「屋根塗装」の場合は、確認申請が不要となるため、手続きが不要です。

 

外壁全体をリノベーション

住宅の外壁全体を改修する際、四号建築物以外では外壁改修が建物の構造や安全性に影響を与える可能性があるため、建築確認申請が必要となるケースがあります。

 

ただし、外装材を交換するだけの作業や既存の外壁材の上に新たな外壁材を重ねる程度の工事であれば、確認申請を行う必要はありません。

 

計画の際には、工事内容が申請対象に該当するか事前に確認することが重要です。

 

スケルトンリノベーション

四号建築物以外の住宅でスケルトンリノベーションを実施する際は、建築確認申請が必要となる場合があります。

 

スケルトンリノベーションとは、柱や梁などの構造部分を残した上で、内装の大幅な変更や全体的な間取りの変更を行う大規模なリノベーション工事のことを指します。

 

工事内容が確認申請を要する範囲に該当するかどうか、リノベーション会社に事前に相談しましょう。

 

建築確認が不要なリノベーションケース

以下は、中古物件をリノベーションする際に建築確認が不要な主なケースです。

 

  • マンションの専有部分のみをリノベーション
  • 四号建築物をリノベーション
  • 一戸建て住宅の小規模リフォーム

 

それぞれについて詳しく解説します。

 

マンションの専有部分のみをリノベーション

マンションのリノベーションでは、個人が自由に工事できる範囲は専有部分に限られます。

 

専有部分の工事は建物の構造や共用部分に影響を与えないため、基本的に建築確認申請は不要です。

 

ただし、マンションごとに定められた管理規約に従う必要があるため、事前に規約をしっかり確認しましょう。

 

四号建築物をリノベーション

四号建築物とは、第一号から第三号建築物に該当しない比較的小規模な建築物のことです。

 

規模が小さいため、一部の工事では建築確認申請が不要となる特例が認められています。

 

ただし、改修工事によって安全性や耐震性に影響が及ぶ場合は申請が必要となるため、事前の確認が重要です。

 

一戸建て住宅の小規模リフォーム

一戸建て住宅での小規模リフォームでは、建築確認申請が不要なケースが多いです。

 

例えば、内装の塗装やクロスの張り替え、キッチンや浴室などの設備交換など、構造部分に影響を与えない工事がこれに該当します。

 

一方で、増築や耐震改修など、建物全体に影響する工事では申請が必要となる可能性があるため、該当範囲を事前に確認することが大切です。

 

2025年4月の法改正によるリノベーションへの影響

これまで、木造2階建てや木造平屋の建物は「四号建築物」として扱われ、建築士が設計した場合には構造規定の審査が省略できる「四号特例」の適用が可能でした。  

 

しかし、2022年6月に公布された「脱炭素社会の実現を目指す建築物のエネルギー消費性能向上法改正」に基づき、2025年4月から制度が変更されます。

 

この改正により、木造2階建てや延べ床面積200㎡を超える平屋は「新二号建築物」、延べ床面積200㎡以下は「新三号建築物」として再分類されます。  

 

法改正後は、「新二号建築物」に該当する建物に対し、建築確認や構造規定に関する審査が義務付けられるため、リノベーション計画を立てる際は注意が必要です。

 

まとめ

建築確認申請は、長く安全に使用できる建物であることを審査するために、重要な手続きです。

 

建物の新築に限らず、リノベーションを行う際も必要に応じて建築確認申請をしましょう。

 

「建築確認申請が必要か分からない」という方は、気軽にプロシードデザインへご相談ください。

 

建築士の資格を持つ専門担当者が、お客様のリノベーションプランを全力でサポートします。

 

また、プロシードデザインのホームページでは、築年数の古い住まいを美しく再生した過去の施工事例も豊富に掲載していますので、ぜひ一度ご覧ください。

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