2024.7.28

リノベーション済みの分譲中古マンションの購入は危険?特徴や費用について解説

物件サイトで中古マンションを検索していると、「リノベーション済み」という言葉を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか?

 

既に改修が済んでいるマンションは、中古マンションを購入してからリノベーションする場合と比べてすぐに入居できるメリットがあります。

 

しかし、注意点も多くあるので、リノベーション済み中古マンションの購入は向き・不向きがあります。

 

そこで今回はリノベーション済み中古マンションを購入する前に押さえておきたいポイントについて詳しく解説するので参考にしてください。

 

市場にリノベーション済み中古マンションが増えている理由

2022年に国土交通省が実施した調査によれば、日本全体の分譲マンションストック戸数は約694.3万戸に達している一方、新築マンションの供給は約9.4万戸に留まり、全体のわずか1.3%ほどに過ぎません。

参考:国土交通省|分譲マンションストック数の推移

 

このような状況から、最近は都市部を中心に中古マンション市場が活発化しています。

 

特に注目すべきは、売買される中古分譲マンションの築年数が年々増加している点です。

 

2022年に成約した中古マンションの平均築年数は「23. 33年」となり、多くがリノベーションを必要とする時期を迎えています。

参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向

 

こうした状況を背景に、不動産会社が競争力を高めるために力を入れているのが「リノベーション済み物件」の販売です。

 

また、マンションを探している方にとっても、リノベーション済みマンションは新築マンションと同様に即入居可能なことや、住宅ローンを利用して購入できることなど、多くのメリットがあります。

 

さらに、令和4年度の税制改正でリノベーション済み物件を対象とした住宅ローン控除が導入されたことも、人気を高めている要因の1つと言えます。

参考:国税庁|買取再販住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)

 

リノベ済み物件と未リノベ物件はどちらがお得?

多くの方が気になるのは、リノベーション済み物件と未リノベーション物件のどちらがお得かということでしょう。

 

リノベーション済み物件の販売価格は、物件価格にリノベーションにかかった費用が上乗せされているため、中古マンションの相場より割高な傾向にあります。

 

一方で未リノベーション物件は、リノベーション費用を自己負担しなければなりませんが、既存の部屋を上手に活用することで費用を抑えることができます。

 

しかし、住まい全体を自分好みにリノベーションすると費用が高額になる可能性もあるため、どちらの方がお得かは一概に判断できません。

 

コストと住みやすさのバランスを考慮して、専門家に相談しながら購入する物件を選びましょう。

 

リノベーション済み中古マンションを購入する際の注意点

リノベーション済みの分譲中古マンションを購入して後悔しないために、以下の注意点を必ず押さえておきましょう。

 

建て替えの計画があるか

リノベーション済み物件として販売されている中には、1980年(昭和55年)以前に建てられたものも存在します。

 

こうした物件は旧耐震基準で建設されている可能性があり、現在の耐震基準を満たしていないケースも考えられます。

 

そのため、近い将来、大規模修繕工事の追加費用を請求されたり、建て替え計画が持ち上がったりする可能性があるでしょう。

 

気に入ったリノベーション済み物件を購入しても不満が残る結果になりかねません。 

 

購入を検討する際は、物件の建築時期や建て替え計画の有無を必ず確認することが大切です。

 

共用部の管理は適切に行われているか

専有部分がリノベーションされていても、共用部分の管理が不十分であれば資産価値の低下につながります。

 

エントランスやロビー、ゴミ置き場、自転車置き場などの共用部分が適切に管理されているか必ず確認しましょう。

 

さらに、管理費や修繕積立金が全戸の所有者から確実に徴収されているかどうかも、確認すべき重要なポイントです。

 

マンションの管理規約に違反していないか

リノベーション済みマンションを購入する際は、マンションの管理規約に違反した工事がされていないか確認することも重要です。

 

規約に従うのは当然のことですが、稀に規約を無視したリノベーションが施されている物件もあります。

 

もし購入後に違反が判明すると、管理組合から修正工事を求められる可能性があるため、慎重にチェックしましょう。

 

見えない部分も修繕されているか

リノベーションが外側から見える部分だけでなく、内部構造にまで手が加えられているか確認することが大切です。

 

電気配線や給排水管といった見えない部分は、築15〜20年を過ぎると劣化が進む場合があります。

 

外見がどれだけ綺麗に修繕されていても、電気配線や給排水管が劣化したままでは水漏れや漏電のリスクが高まります。

 

再度リノベーションが必要になると、階下の住人に大きな迷惑をかけてしまう可能性や追加の工事費用がかかるため、注意しましょう。

 

リノベーションの保証はついているか

物件によっては、実際に住み始めてから不具合が判明することもあるため、事前にリノベーション保証の内容を確認しておくことが大切です。

 

トラブル発生時の連絡先や、保証が適用される範囲がどこまでかをしっかりチェックしましょう。

 

保証がない場合、再度リノベーションが必要となり、時間もお金も余計にかかってしまうので、注意してください。

 

将来的な売却のしやすさはどうか

リノベーション済み物件の中には、元々の条件が理由で売れなかったためにリノベーションを施したケースも少なくありません。

 

そうした物件は、立地が不便であったり、間取りが特殊であったりすることが多い傾向があります。

 

自身が住む目的で納得して購入する場合には問題ありませんが、将来的に転売や賃貸に出す可能性がある場合は、デザインや金額だけでなく総合的に判断しなければなりません。

 

リノベ済み中古マンションの購入が向いている方と向いていない方

リノベーション済み中古マンションを購入するべきか、費用に関する情報だけでは判断できません。

 

住宅購入に対する考え方や価値観が合っているか確認しましょう。

 

【向いている方の特徴】

  • 購入後すぐに入居したい、引っ越しを希望している
  • スムーズに物件を購入したい
  • デザインや間取りにこだわりがあまりない
  • 予算内に必ず収めたい
  • 複数のローンを組みたくない
  • 将来的に売却や賃貸を考えている

 

【向いていない方の特徴】

  • 自分のペースで満足いく住まいを手に入れたい
  • 理想の物件をじっくり時間をかけて見つけたい
  • デザインや間取りにこだわりたい
  • 工事の進行状況を最初から完成まで見届けたい
  • リノベーション計画に自分も参加したい

 

リノベーション済みマンションのメリットは、「スムーズな入居」と「コストの一本化」です。

 

しかし、選択肢が限られるため、立地やデザインなど条件に合った物件を見つけるのは難しいでしょう。

 

一方で未リノベーションマンションは選択肢が多く、自ら計画に参加して理想の住まいを実現できます。

 

住まい探しにおいて何を重視するかで物件を選ぶことをおすすめします。

 

まとめ

リノベーション済みマンションは、購入した後すぐに入居することができ、リノベーションの工事費用も販売価格に含まれているため明確です。

 

しかし、デザインや間取りの細部までこだわることができないため、理想の物件を見つけるのは難しいというデメリットもあります。

 

そのため、コストと暮らしやすさのバランスを考えて物件を探すと良いでしょう。

 

また、時間をかけても理想の住まいを手に入れたいという方は、物件探しからリノベーションまでワンストップに対応してくれる会社に依頼することをおすすめします。

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