人にも環境にも優しいエコハウスにリノベーション!魅力や特徴について解説
近年、人にも環境にも優しい住まいとして「エコハウス」が注目されています。
そのため、リノベーションで一般的な住まいをエコハウスに変えるとどのようなメリットがあるか気になっている方も多いでしょう。
そこで今回は、リノベーションでエコハウスをつくりたいと考えている方に向けて、魅力や特徴をご紹介します。
エコハウスの特徴を理解して、リノベーションのプランを立てる際の参考にしてください。
環境省が定義するエコハウスとは?
エコハウスとは、環境省の公式サイト「21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業」によると、「地域の気候や風土、敷地条件、住まい方に合わせて自然エネルギーを最大限に活用し、さらに地元で手に入る材料を使用するなど、環境への負荷を抑える方法で建設される住宅」と定義されています。
今後、持続可能な住まいに更なる注目が集まり、新築物件の多くがエコハウスとなるでしょう。
エコハウスの特徴
エコハウスの特徴について、以下の4つのポイントを踏まえて詳しく解説します。
- 環境基本性能の確保
- 自然・再生可能エネルギー活用
- エコライフスタイルと住まい方
- 地域性
環境基本性能の確保
エコハウスでは、断熱、気密、日射遮蔽、日射導入、蓄熱、通風、換気、そして自然素材の使用といった要素を満たした「快適に暮らせる住宅」の実現が求められます。
基本性能の確保は、エコハウスが環境に配慮しながら快適性を保つための重要なポイントです。
これらの要素を組み合わせることで、住宅の基本性能を高め、必要なエネルギー消費を最小限に抑えることができます。
また、快適な生活空間を維持しながらも、環境負荷の少ない持続可能な住まいを実現します。
自然・再生可能エネルギー活用
エコハウスでは、環境性能を確保した上で、自然エネルギーを最大限活用し、化石燃料に依存しない生活を目指すことが重要です。
地域ごとの特性を理解し、太陽光や太陽熱、風、地中熱、水、バイオマス、温度差などを活かす技術や設計が不可欠です。
エネルギー源として自然を利用することで、環境への影響を軽減し、日々の生活をより持続可能なものにしていきます。
エコライフスタイルと住まい方
日本では人口が減少している一方、世帯数の増加に伴い家庭のエネルギー消費が増加しています。
そのため、エコハウスをつくる際には、集まって暮らすための新しい住まいの形や農地を備えた住居など新しいライフスタイルなどの提案が必要です。
例えば、日よけ用の植栽を導入したり、暑いときは窓を開けて自然の風を活かし、寒いときには一枚余分に着るなど、住む人の意識と行動が環境負荷の軽減につながります。
地域性
エコハウスが各地域で長く愛されるためには、地域の気候、風土、文化に根ざし、地域らしさを取り入れた設計が重要です。
「地域性」は、長年の知恵や経験で培われた地域資源を活かすことによって実現されます。
地域との一体感を持ち、住む人にとって魅力的で長く愛される住まいが生まれるでしょう。
エコハウスにリノベーションするメリット
エコハウスで快適に暮らしたいと考えている方は、メリットについて把握しておきましょう。
気密性や断熱性の高い快適な住まいがつくれる
一般住宅をエコハウスにリノベーションする際には、気密性や断熱性を高めることが重要です。
高性能な断熱材や最新の工法を用いることで、住まいの気密性が向上し、夏は涼しく冬は暖かい快適な空間を実現できます。
さらに、住宅内の温度差が小さくなり、冬場に発生しがちなヒートショックのリスクを低減し、結露の防止にもつながります。
また、遮音性も向上するため、周囲の騒音を気にせずに過ごせる環境が整うでしょう。
光熱費を抑えられる
一般住宅をエコハウスへリノベーションすることで、自然エネルギーを効果的に活用しやすくなり、冷暖房に依存せずとも快適に過ごせる住まいに変わります。
さらに、太陽光発電や蓄電池の導入、自家発電の活用、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)を取り入れることで、エネルギー使用量を効率的に管理し、光熱費を削減できます。
二酸化炭素の排出が少ない環境に優しい家がつくれる
エコハウスは、電気やガスなどの従来型エネルギーの使用量を削減し、再生可能エネルギーを活用することで二酸化炭素の排出を減らします。
一般住宅をエコハウスにリノベーションすることで、環境負荷を大幅に軽減でき、持続可能な社会の実現に貢献します。
リノベーションでエコハウスをつくる際のポイント
ここからはリノベーションでエコハウスをつくる際のポイントについて解説します。
ポイント①断熱性
リノベーションでエコハウスを作る際には、まず「断熱性」の向上が欠かせません。
断熱性能が高い家は外気温の影響を受けにくく、室内の温度を快適に保ちやすくなります。
特に開口部である窓は壁に比べて断熱性が低いため、断熱効果の高い窓に交換しましょう。
また、断熱材を適切に選び、壁や屋根にも十分な断熱対策を施すことで、年間を通じて快適な居住環境を維持できます。
ポイント②気密性
「気密性」もエコハウスの設計で考慮すべき重要なポイントです。
断熱性と気密性はセットで効果を発揮します。
断熱性能によって快適な室内環境が作られても、気密性が低く隙間が多いと空気が逃げてしまい、効果が薄れてしまうでしょう。
隙間を徹底的に防いで家全体の気密性を高めるリノベーションを行うことで、冷暖房効率が向上とエネルギーの無駄を減らし、室内の快適性を高めてください。
ポイント③換気
「換気」は、リノベーションでエコハウスをつくる際に重要な要素の1つです。
高気密住宅は外部への空気の流出が抑えられるため、24時間換気システムが義務付けられています。
さらに、壁や屋根の素材に通気性の良いものを選ぶと、自然な換気がしやすくなります。
風の通り道を考慮し、窓の配置を工夫して適切な換気を促進することで、室内の空気の質を向上させ、快適で健康的な住環境を実現しましょう。
ポイント④自然光
「自然光」をうまく取り入れることもエコハウスの重要な設計ポイントです。
室内を明るくするためには、太陽光を効果的に活用することが求められます。
ただし、窓を大きくし過ぎると断熱性が低下するため、設置場所や方角を工夫することが大切です。
季節や時間帯によって異なる太陽の角度を計算し、ひさしや軒を設置することで直射日光を調整しましょう。
また、南向き以外の窓を小さめにすることで、自然光の採光と断熱性のバランスが取りやすくなります。
ポイント⑤結露やカビの防止
エコハウスのリノベーションでは「結露・カビの予防」も重要なポイントです。
高気密住宅では、壁の中や天井裏に内部結露が発生しやすく、これがカビの原因となります。
発生したカビは短期間で広がることがあるため、早めの対策が必要です。
内部の湿度管理を意識し、通気性の高い素材を壁や屋根に使用しましょう。
さらに、換気性能を高める工夫を加えることで、結露やカビの発生を未然に防ぎ、清潔で健康的な住まいを維持することができます。
補助金制度や減税制度を利用してお得にリノベーションしよう
補助金制度や減税制度を利用してリノベーションを行うことで、経済的にもメリットがあります。
エコハウスへのリノベーション工事が対象となる主な補助金制度・減税制度の例は次のとおりです。
【長期優良住宅リフォーム補助金】
省エネ性や耐久性、耐震性に優れた住宅に改修する場合、上限付きで補助金を受け取ることができます。
【低炭素建築物に対する所得税軽減】
二酸化炭素の排出を抑えた「低炭素建築物」として認定されると、所得税の軽減措置を受けることができます。
さらに、自治体ごとの独自の補助金制度があることも多いため、お住まいの地域の公式ウェブサイトなどで詳細を確認すると良いでしょう。
制度を上手に活用し、環境にも家計にも優しいリノベーションを実現してください。
まとめ
一般的な住宅をエコハウスにリノベーションすることで、暮らしている人にも環境にも優しい住まいをつくることができます。
また、光熱費が抑えられたり、補助金制度などを活用してお得に工事ができたり、経済的にも大きなメリットがあります。
築年数が古くなった住まいは建材や設備が劣化しがちなため、リノベーションで劣化した箇所を修繕すると同時に住宅性能を向上させましょう。
中古住宅を購入してリノベーションする予定の方は、ぜひ本記事を参考に快適なエコハウスを実現してください。