快適なマンション生活を送るための防音リフォームとは?費用相場や施工事例を解説
小さな子供を育てていたり、ペットを飼っていたりすると、近隣との騒音トラブルに不安を感じることもあるでしょう。
特にマンションのような集合住宅では、近くに違う家庭が住んでいるためトラブルが起こりやすいです。
また、近くに大きな道路や線路が通っている場所では周辺環境の音に悩まされる場合があります。
そこで今回はマンションの防音リフォームについて、基本的な知識や費用相場、施工事例を詳しく解説します。
騒音に悩まされている方やトラブルを起こさないために対策したい方は参考にしてください。
【騒音別】マンションにおける防音リフォームの種類
まずは、マンションにおける防音リフォームの種類を騒音別に紹介します。
自宅の状況や周辺環境に合わせて、どのようなリフォームをすべきか参考にしてください。
家電振動音に対するリフォーム
家電を動かすと少なからず音が発生したり、振動が伝わることで、他の家族がうるさいと感じるケースがあります。
自宅で家族全員が快適に生活するためには、以下のリフォームを行うと良いでしょう。
家電の買い替えや位置変更
古い家電は振動が発生しやすく、部品の摩耗により機械音が大きくなることがあります。
そのため、メーカーが指定する耐用年数を超えた家電は、新しい製品に交換することを検討しましょう。
また、ステレオやテレビなどの音響機器は、壁から10cm以上離して配置することで、部屋の外へ音が漏れることを抑えられます。
さらに、本棚を壁際に置くことで、隣室に伝わる音を効果的に軽減する方法もあります。
家族の話し声やペットの鳴き声に対するリフォーム
部屋の壁が薄いといくら気をつけていても話し声が漏れてしまったり、ペットの鳴き声が聞こえてしまいます。
生活リズムは人によって違うため、他の人に迷惑をかけてしまわないためにも対策をすることが重要です。
戸境壁の防音リフォーム
音の発生源が戸境壁(界壁)近くにある場合、壁の室内側に遮音材を貼る方法があります。
壁を解体せずにその上から貼れる遮音材もあり、比較的手軽に行える防音リノベーションです。
ただし、遮音シートや石膏ボードを上から貼ることで壁が厚くなり、部屋の広さが一回り小さくなってしまうので注意しましょう。
間取り変更
音の発生源を生活空間や隣の部屋から離すリフォームも効果的です。
例えば、オーディオルームと寝室を離して配置したり、リビングと隣の部屋の間にクローゼットを設置したりすることで物理的な距離を作ります。
間のスペースが遮音層としての役割を果たし、音の伝わりを軽減できます。
間仕切り壁の防音リフォーム
既存の石膏ボードの上にさらに遮音ボードと石膏ボードを重ねて貼ることで、防音効果を高めることができます。
さらに効果を求める場合は、天井も同様の方法で部屋全体を包み込むように施工することが可能です。
ただし、戸境壁の場合と同様に、既存の壁の上に貼り重ねるため、部屋のスペースは若干狭くなります。
防音性の高い内装ドアに取り替え
壁や天井を防音リフォームしたとしても、それだけで完璧に防音できるとは限りません。
部屋の防音性をさらに高めるためには、内装ドアも防音性の高いものにすることが重要です。
多くのメーカーが内装用の防音ドアを販売しており、これらのドアは気密性が高く、振動を伝えにくい構造になっています。
足音に対するリフォーム
マンションの上階から聞こえる足音を下の部屋から改善するのは難しいです。
そのため、下の階に迷惑をかけないように意識することが重要です。
多くのマンションでは管理規約で床の遮音等級が定められており、それに従った仕様にする必要があります。
マンションごとにL-45からL-65までの遮音等級が異なるため、リノベーションを行う際には、指定された等級の遮音性能を持つフローリングを選ぶことが求められます。
また、フローリング材の使用が禁止され、床材がカーペットなどに限定されている場合もあるため、中古マンションを購入する際は十分に確認しましょう。
さらに、ペットが歩く際の爪音が気になる場合には、フローリングの上にペット用のマットを敷くか、柔らかい床材であるコルクタイルを使用することをおすすめします。
屋外からの騒音に対するリフォーム
マンションの立地状況によっては屋外からの騒音が気になってしまうでしょう。
しかし、マンションのドアや窓ガラス、窓サッシは共用部分に該当するため、個人の勝手で防音リフォームを行うことができません。
屋外からの騒音に困っている方は以下のリフォームを参考にしてください。
内窓の取り付け
断熱性を高めるために使用される内窓(インナーサッシ)ですが、既存の窓と内窓の間にできる空気が防音層として機能するため、外部からの音を軽減する役割も果たします。
大手サッシメーカーLIXILの調査では、40デシベルもの音を遮断できるというデータが出ています。
しかし、外部からの騒音を効果的に遮断するためには、部屋のすべての窓に内窓を設置する必要があります。
また、窓の形状や窓枠の幅によっては内窓を取り付けられない場合もあるため、注意が必要です。
給気口の取り替え
マンションの壁に設置されている自然給気口を防音仕様のものに交換することで、外部からの騒音を減少させることができます。
ただし、交換できるのは室内側に取り付けられている自然給気口に限ります。
外側に設置されているベントキャップは共用部分となるため、勝手に交換しないようにしましょう。
防音リフォームにかかる費用
防音リフォームは、遮音性カーテンの取り付けなど価格の低い工事から床材を張り替える高額な内装工事まで様々です。
そのため、防音リフォームにかかる費用はどのような工事にするかによって大きく変動します。
主な防音リフォームの費用は以下のとおりです。
リフォームの種類 | 費用相場 |
内窓の取り付け | 8万〜15万円 |
防音ガラスに交換 | 5万〜15万円 |
壁の内側に防音材を入れる | 18万〜25万円 |
換気口に防音対策をする | 1万〜5万円 |
防音性の高い床材に変える | 25万〜30万円 |
遮音マットを敷く | 30万〜60万円 |
部屋全体を防音リフォームにする | 160万〜500万円 |
マンション防音リフォームの施工事例
ここからはマンション防音リフォームの施工事例を紹介します。
部屋の間にクローゼットを設置
リビングと寝室の間にクローゼットを設置することで、物理的に部屋と部屋の間にスペースをとり、防音性を高めた施工事例です。
このリフォームを行ったことで、寝室を静かなプライベート空間にすることができ、家族それぞれが個人の時間を自由に楽しむことができています。
二重窓で屋外からの騒音問題を解決
学校の隣に位置するため、外部の騒音が気になるのではないかという心配がありましたが、内窓を取り付けて二重窓にすることで問題を解決しました。
気密性も高まることで、夏は涼しく冬は暖かく、暮らしやすい空間になるなど、その他のメリットも受けられています。
まとめ
どれだけ気をつけていたとしても、生活音は出てしまいます。
また、マンションの立地によっては、外からの騒音も気になるでしょう。
静かで落ち着ける空間で生活を送りたい方は、防音リフォームをすることをおすすめします。
しかし、対策する音の種類によってリフォーム方法は異なります。
また、リフォーム費用も異なるため、防音リフォームを検討している方は、リフォーム業者に相談してみてはいかがでしょうか?