賃貸物件の空室問題はリノベーションで解決!費用相場や施工事例を紹介
所有している物件を貸し出して家賃収入を得ている大家やオーナーにとって一番の問題は、借主が見つからずに空室が続いてしまうことでしょう。
また、ローンを組んで賃貸物件を購入した方にとっては、空室は大きな問題です。
空室になってしまう理由はいくつか考えられますが、リノベーションを行い、新たな価値を生み出すことで、空室問題を解決できる可能性があります。
本記事では、賃貸物件をリノベーションする効果や費用相場、施工事例について紹介します。
空室問題を解決!賃貸物件をリノベーションする効果
空室が続いている賃貸物件は、築年数が経過して設備が劣化していたり、最新のライフスタイルに合わない造りになっていることから人気が低い可能性があります。
そして、空室問題を解決する手段として有効なのが賃貸物件のリノベーションです。
リノベーションは内装のデザインを新しくしたり、間取りを自由に変更したり、住まいを大きく作り変えることで新しい価値を生み出す目的で行われます。
また、リノベーションと似た言葉としてリフォームがありますが、劣化した箇所の部分的な修復を行う工事のため、同じ意味で使ってしまわないように注意しましょう。
ここからは、賃貸物件をリノベーションすることで得られる効果について解説します。
所有物件の空室に悩んでいる大家やオーナーの方は参考にしてください。
効果1.他の物件と差別化を図れる
人口減少の影響によって、賃貸物件の流通は供給過多となっています。
従来までは、劣化した箇所をリフォームして修繕するだけですぐに借り手が見つかりましたが、近年はリフォームを行っても空室問題が解決しないことも多いです。
リフォームを行っても空室問題が解決せずに悩んでいるオーナーは、リノベーションを行い、大幅に住まいをつくり変えることをおすすめします。
リノベーションはリフォームと比べて大規模な工事を行うため、費用はかかってしまいますが、現代の生活ニーズに合わせたデザインや内装にすることができ、賃貸物件を探す人の条件と一致しやすくなるでしょう。
また、斬新なデザインや希少な間取り、最新設備の充実をさせることで、他の物件と差別化を図ることができることもメリットの1つです。
効果2.家賃を上げても借り手が見つかる
空室対策として家賃を下げる手段もあります。
しかし、ローンを組んで物件を購入している場合は、家賃を下げることでローンの返済額よりも下回ってしまう可能性があるでしょう。
家賃を下げずに空室問題を解決できる手段がリノベーションです。
リノベーションは住まいをつくり変えて新しい価値を生み出すことが目的のため、物件そのものの価値は上がります。
そのため、家賃を上げたとしても、価値に魅力を感じた人から問い合わせが入るでしょう。
効果3.節税対策になる
賃貸物件を貸し出すことで得られる家賃収入は、確定申告を行う必要があります。
確定申告時には、事業を営む上でかかった必要な経費を計上できます。
基本的に賃貸業を営む上で発生する経費は少ないのですが、リノベーションにかかった費用は減価償却の対象となり、経費計上が可能です。
そのため、節税対策を兼ねた投資としてリノベーションがおすすめです。
【箇所別】リノベーションにかかる費用
ここでは、賃貸物件をリノベーションした際にかかる費用を箇所別に紹介します。
住まい全体をリノベーションする方が空室問題を解決できる可能性は高いですが、費用は高額になってしまうため、リノベーションに費やした費用を回収するまでに時間がかかります。
リノベーション後の家賃収入と回収期間を踏まえて、リノベーションの予算を決めましょう。
内装リノベーションにかかる費用
内装が新築物件のように綺麗になることで、入居希望者が増えるでしょう。
また、一般的な内装と変えることで、差別化を図ることもできます。
施工内容 | 費用相場 |
クロスの貼り替え | 800〜1,500円/㎡ |
フローリングの貼り替え | 2万〜6万円/畳 |
畳をフローリングに変更 | 9万〜35万円* |
クローゼットの増設 | 10万〜50万円/箇所 |
*6〜8畳の部屋の場合
水回りのリノベーションにかかる費用
水回りは毎日使う場所のため、劣化のスピードも早いとされており、10〜15年ほどでリノベーションを行うと良いでしょう。
また、設備を新しくすることで暮らしやすさも格段に上がり、物件情報サイトでの絞り込み検索で引っ掛かりやすくなります。
ただし、設備のグレードによって費用は大きく変わるため、予算に合わせてプランニングする必要があります。
水回りのリノベーションを検討している方は以下の一覧を参考にしてください。
施工箇所 | 施工内容 | 費用相場 |
キッチン | キッチンの移動 | 20万〜200万円 |
キッチン本体の交換 | 50万〜100万円 | |
レンジフード・コンロの交換 | 10万〜30万円 | |
食洗機取り付け | 9万〜25万円 | |
浴室 | 在来工法からユニットバスに変更 | 65万〜150万円 |
ユニットバスに交換 | 40万〜150万円 | |
浴室乾燥機の設置 | 10万〜25万円 | |
トイレ | 洋式から洋式に交換 | 10万〜50万円 |
和式から洋式に変更 | 7万〜50万円 | |
温水洗浄便座の設置 | 20万〜50万円 | |
洗面所 | 洗面台の交換 | 7万〜50万円 |
洗面所全体の内装を変更 | 20万〜50万円 |
間取り変更にかかる費用
部屋の数や一部屋あたりの広さなどによって入居率は変わります。
そのため、間仕切り壁を設置したり、壁を取り除いて間取り変更することをおすすめします。
施工内容 | 費用相場 |
間仕切り壁の設置 | 8万〜25万円/箇所 |
間仕切り壁の撤去 | 5万〜12万円/箇所 |
ドアの増設 | 6万〜25万円/箇所 |
賃貸物件のリノベ施工事例3選
これから賃貸物件をリノベーションしようと考えている大家やオーナーは、紹介する施工事例を参考にしてください。
事例1.心ときめく都心の小さな家
木目と白をベースに全体的にシンプルなデザインでまとめています。
そして、リビングとひと繋ぎの土間玄関には、植物を置いたり、自転車を置いたり、インナーテラスとして利用したり、とアイデアは無限大です。
またこちらの物件は、通勤や通学のアクセスがしやすい都市部にあり、住宅街と比べると夜間も外の音がうるさいため、二重窓で騒音対策を図っています。
事例2.子育てに快適なやさしいお家
白と木目でまとめたナチュラルウッドなデザインのこちらの住まいは、キッチンに立ってもリビングに隣接した子供部屋と視線が合うように設計されているため、小さな子供がいる家庭も安心して暮らすことができます。
また、リビングダイニングとひと繋ぎのキッチンは、「インテリア性」と「居心地」を重視して使用する素材にもこだわっています。
事例3.景色を楽しむ、最上階のお家
最上階からの眺望が楽しめるこちらの物件は、天井高を最大限活かすLDKの配置と家事動線を意識した間取り作りが特徴です。
景色を眺めながら複数人で立てるキッチンは、料理・配膳しても行き交える広さで家族で楽しくお料理ができるでしょう。
まとめ
駅の近くや生活利便性の良い地域にある賃貸物件は、築年数が経過しても人気が高いですが、基本的に築年数が経過するにつれて空室リスクは高まります。
そのため、空室問題を解決するためにリノベーションすることをおすすめします。
リノベーションを行うことで、住まい全体のデザインを変えたり、設備を新しくしたりすることができ、賃貸物件を探している人の目に留まりやすくなるでしょう。
また、リノベーションにかかった費用は経費として計上できるため、節税対策にもなります。
所有物件の空室に悩んでいるオーナーは、この機会に賃貸物件のリノベーションを検討してみてください。