住宅の増築リノベーションにかかる費用は?改築との違いや注意点について解説!
今の住まいが狭いと感じている方は、建て替えや引っ越しだけでなく、増築リノベーションという手段もあります。
増築リノベーションをすることで、法律の範囲内であれば住まいを広げられるため、もっと暮らしやすい家へと生まれ変わるでしょう。
今回は、増築リノベーションにかかる費用や注意点、改築との違いについて解説します。
増築と改築の定義とは?
まず、増築と改築の違いについて確認しておきましょう。
増築とは部屋を建て増ししたり、平屋を2階建てにするなど、床面積を広げて建物を大きくすることをいいます。
一方、改築とは床面積を変えずに建物の構造を変えたり、内装を変える工事です。
したがって、増築リノベーションは、床面積の増加を行うリノベーションを指します。
増築リノベーションのメリット
ここからは増築リノベーションのメリットについて解説します。
居住空間が増加する
増築リノベーションをすることで床面積が増えるため、居住空間が増加することが最大のメリットです。
居室を増築するだけでなく、キッチンやトイレなど水回りの設備を増設するケースもあります。
また、家族の人数が増えた場合に、プライバシーを守れる個室を確保できるでしょう。
工期が短い
増築リノベーションではなく建て替えをする場合、解体工事や建築工事に半年程度かかります。
一方、増築リノベーションであれば、工期は2〜3ヶ月程度で済みます。
工事完成までの短さもメリットの1つと言えるでしょう。
仮住まいの必要がない
建て替えをする場合は、一時的に仮住まいをする必要がありますが、増築リノベーションであれば仮住まいをせずに工事を行うことが可能です。
仮住まい場所を探すための時間や手間がかからず、引っ越し費用や仮住まい先の家賃を支払う必要がないため、費用を抑えることにも繋がります。
増築リノベーションのデメリット
増築リノベーションにはメリットがある一方でデメリットもあります。
リノベーション後に後悔しないためにも、デメリットを把握しておきましょう。
デザインを統一するのが難しい
築年数が経過した住まいを増築リノベーションする場合、既存住宅に使われている建材が廃番となっている可能性が高く、増築部分を全く同じ建材で建てることが難しいです。
そのため、デザインが異なることや経年劣化の風合いに差が生じ、既存住宅と増築部分の統一感がなくなってしまうでしょう。
ただし、既存住宅の外壁や屋根も同時にリノベーションすることで、劣化した箇所を修復できるだけでなく、デザインの統一を実現できるのでおすすめです。
施工不良で雨漏りやクラックが起こる
既存住宅と増築部分の接合箇所に設計ミスや施工不良が起こると、雨漏りやクラックが発生してしまう可能性が高まります。
特に地震や台風などの自然災害に対しては注意が必要です。
増築リノベーションの施工実績がある業者に相談することをおすすめします。
増築リノベーションにかかる費用
増築リノベーションは建物を建て替えるよりも費用を抑えることができます。
施工箇所別の費用相場は以下の通りです。
施工箇所 | 費用相場 |
バルコニーの増設 | 30万〜50万円 |
1階部分の居室を増築 | 70万/坪 |
階数の増築 | 120万円/坪 |
トイレや浴室の増設 | トイレ:5万〜20万円
浴室:50万〜150万円 |
ただし、増築リノベーションは、新しく一から住宅をつくる新築工事と違って、施工費用の算出が難しいと言えます。
既存の住宅の状態によっては補強工事が必要になり、更なる費用がかかるでしょう。
複数の業者に見積もりをもらい、比較することをおすすめします。
増築リノベーションが向いているケース
ここからは増築リノベーションが向いているケースを紹介します。
向いているケースに該当する方は、増築リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか?
家族構成が変わったタイミング
増築リノベーションは、生活拠点を変えずに居住空間を増やせることが最大のメリットです。
家族構成やライフプランの変化が起こったタイミングで、部屋数を増やしたり、間取り変更をすることができます。
子供の成長により子供部屋が必要な方や両親を呼び寄せて同居する場合は増築リノベーションが向いていると言えるでしょう。
趣味を楽しむプライベートな空間が欲しい
趣味や在宅ワークのための書斎づくりにも増築リノベーションは向いています。
増築したスペースは趣味の道具を保管する場所として使用したり、アトリエやDIYの作業部屋、ワークスペースとして活用できるでしょう。
既存の住まいと趣味を楽しむ空間を分けられることも増築リノベーションの魅力の1つです。
増築リノベーションの注意点
増築リノベーションは、居住空間のスペースを広げられるメリットがありますが、好きなだけ広げられるとは限りません。
建築基準法による規定を遵守するなどいくつかの注意点があります。
ここからは増築リノベーションをする際の注意点について解説します。
建築基準法や都市計画法などの法令による制限がある
住宅の増築は、建築基準法や都市計画法などの法令によって制限されます。
特に都市計画によって定められた建ぺい率や容積率の限度を超えることはできません。
建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合を指し、容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合を指します。
例えば土地の広さが100㎡で建ぺい率が50%の場合は建築面積50㎡の建物しか建てられず、容積率が100%の場合は全ての階の床面積の合計が100㎡以内に収まるようにしなければなりません。
増築リノベーションを行う際は、住んでいるエリアの法令をあらかじめ確認しましょう。
確認申請が必要になる
建築基準法の規定により、床面積が10㎡超える増築リノベーションを行う場合は、自治体や民間の建築確認検査機関へ確認申請が必要です。
確認申請を行い、建築確認済証の交付を受けることで工事を着工することができます。
確認申請はリノベーション会社や設計事務所に依頼することが一般的なため、申請費用や手数料が別途かかります。
固定資産税に影響がある
増築リノベーションを行い、床面積が増えることで建物の評価額が変動します。
固定資産税は評価額をもとに算出されるため、上がる可能性があります。
ただし、固定資産税は毎年1月1日を基準に課税されるため、実際に固定資産税が上がるのは翌年分からです。
固定資産税の増額に備えて準備をしておきましょう。
倒壊のリスクが高まる
増築リノベーションを行う場合、既存の住まいに関しては現行の耐震基準を満たすように改修工事を行う必要はありません。
しかし、増築部分に関しては耐震基準を満たす建物にしなければなりません。
既存の住まいと増築部分の耐震性能がアンバランスになってしまうことで東海のリスクが高まります。
築年数が経過した住宅を増築リノベーションする際は、耐震診断を受けた上で、必要に応じて基礎部分を耐震補強することをおすすめします。
まとめ
増築リノベーションは、既存の住宅を残して居住空間を広げることが可能です。
住み替えや建て替えをすることなく、家族構成やライフスタイルに合った住まいを手に入れることができます。
また、建て替えよりも費用を抑えることができるでしょう。
しかし、建築基準法などの制限を受けるため、建築の専門的な知識が必要です。
増築リノベーションを検討している方は、本記事を参考に増築リノベーションの実績がある施工会社に相談しましょう。