団地を購入しておしゃれにリノベーション!費用相場や失敗しないためのポイントを解説
リノベーションと聞くと、一戸建てやマンションを思い浮かべる方が多いと思いますが、団地を購入してリノベーションする事例も増えています。
緑豊かな広い敷地に建てられた団地には、専用の広場や公園があり、子育て環境として最適です。
また、同じ敷地内に多くの人が住んでいるため、人の目が届きやすく安全で、世代を超えた交流があります。
今回は団地リノベーションのメリットや費用相場、失敗しないためのポイントを解説します。
団地リノベーションとは?
そもそも団地リノベーションと一戸建てやマンションリノベーションの違いが分からない方も多いでしょう。
団地とは、広い敷地に建てられた複数の共同住宅を指します。
各自治体が運営する公営住宅や都市再生機構が建設した集合住宅が団地に該当します。
団地が多く建設されたのは昭和50年代より前のため、古い建物のイメージを持たれるかもしれませんが、適切なメンテナンスが施されていれば、リノベーションをすることで快適に暮らせ る住まいへと造り変えることが可能です。
他の住宅で行われるリノベーションと同様に、内装のデザインを変えたり、間取りを変更することが一般的です。
団地をリノベーションするメリット
ここからは団地をリノベーションするメリットについて解説します。
新築住宅の購入や他の住宅をリノベーションした場合と比べてどのようなメリットがあるか確認していきましょう。
物件購入費用を抑えられる
団地の多くが築40年以上経っているため、新築物件よりも物件価格が安く、費用を抑えられます。
費用を抑えられる分、リノベーションに費用をかけられるため、大規模な工事や取り付ける設備のグレードアップが可能です。
また、物件を購入してリノベーションする場合は、工事をしている間に仮住まいをしなければならないことや引っ越し費用、家具の購入費用がかかるため、予算に余裕を持てるでしょう。
緑豊かな広い敷地がある
団地の敷地には、緑豊かな広い敷地があり、公園や幼稚園、スーパーマーケットなど、快適に暮らせる環境が整っています。
また、同じ敷地内に大勢の居住者が住んでいることから人の目が多く、特に子育てに適した住環境と言えるでしょう。
団地をリノベーションするデメリット
団地をリノベーションするメリットがある一方でデメリットもあります。
リノベーションした後に後悔をしないためにも、デメリットも把握しておきましょう。
住民同士の距離が近い
団地には古くから住んでいる人も多く、住民同士との距離が近いです。
コミュニティーがしっかりしていることをメリットと感じる人もいるでしょう。
しかし、イベントへの参加や煩わしい人間関係が苦手な方は、団地に住むことは向いていないかもしれません。
近隣住民と騒音トラブルになる可能性がある
40年以上も前に建てられた団地は、壁や床が薄い造りとなっているため、近隣住民との間で騒音トラブルに発展してしまう可能性があります。
特に小さい子供がいる家庭では、子供が走り回ったり、壁を叩いている音が原因で騒音トラブルになりやすいです。
騒音トラブルを起こしたくない方や外部の音が気になる方は、音が響きにくい床材を使用したり、2重窓にリノベーションすることで問題を軽減しましょう。
エレベーターがない団地もある
現在の建築基準法では、31メートルを超える建物にはエレベーターの設置が義務付けられていますが、昭和40年代までに建てられた団地ではエレベーターがない建物もあります。
そのため、上層階に住んでいる人は、階段の上り下りが大変になります。
また、大型の家電や家具を搬入することができない場合や追加の費用をしはらなければならない可能性があるので注意が必要です。
購入予定の団地にエレベーターがない場合は、低層階を選ぶことをおすすめします。
団地リノベーションにかかる費用と工期
ここからは、団地リノベーションにかかる費用と工期について紹介します。
施工内容別に紹介するので、検討しているリノベーションの項目を確認しておきましょう。
水回りのリノベーションにかかる費用と工期
水回りの設備は毎日使用するため、一般的に劣化しやすい箇所と言われています。
水回りの設備を新しいものに交換するのにかかる費用は以下の通りです。
施工内容 | 費用 |
キッチンの交換 | 40万~150万円 |
風呂の交換 | 65万~150万円 |
トイレの交換 | 10万~60万円 |
洗面所の交換 | 10万~60万円 |
水回り設備を全て交換し、内装も新しくする場合は、300万円を予算と考えておくと良いでしょう。
ただし、交換する設備のグレードによっては費用が高くなってしまうため、予算に応じて優先順位をつけましょう。
また、水回り設備の交換にかかる工期は1週間ほどで、配管や配線の位置を変える場合は3週間ほどかかる可能性もあります。
間取り変更にかかる費用と工期
リノベーションが自由にできる団地であれば、間取り変更を行うことで家族構成やライフスタイルに合わせた住まいへと造り変えることができます。
また、築年数が古い住まいには和室の部屋がある場合が多いため、部屋のテイストに合わせて和室を洋室にすることも1つの選択肢でしょう。
壁を取り除いて部屋を広げるだけでなく、新たに間仕切りを追加して、部屋を区切ることも可能です。
間取り変更を行う場合は、規模にもよりますが1ヶ月ほど工期はかかります。
断熱・防音リノベーションにかかる費用と工期
築年数が経過している団地は、断熱性や防音性が低い可能性が高いです。
そのため、フルリノベーションを考えている方は、壁・床・天井に断熱材や防音材を入れることをおすすめします。
断熱材を入れることで季節に関係なく快適に暮らすことができ、防音材を入れることで近隣トラブルとなる騒音を軽減することができるでしょう。
団地をリノベーションする際の注意点
ここまで、団地をリノベーションするメリットやデメリット、費用相場について確認してきましたが、最後に注意点を解説します。
団地リノベーションで失敗しないためにも、必ず押さえておきましょう。
耐震診断や大規模修繕履歴を確認する
建物の設計は、建築基準法によって定められた耐震性能の条件を満たさなければなりません。
しかし、建築基準法はこれまでに何度も改正が行われており、基準はより厳しくなっています。
建設時点での法律が基準となるため、築年数の古い建物は新築の物件と比べて耐震性能に不安があります。
また、年数が経つにつれて建物は自然と劣化していくため、適切なタイミングで修繕を行わなければなりません。
耐震性能に不安のある方は、購入予定の団地が耐震診断を実施しているか、大規模な修繕をした履歴があるかを必ず確認してください。
希望通りのリノベーションができるか確認する
団地によっては、リノベーションの施工内容に制限が設けられている場合があるため、必ずしも希望通りのリノベーションができるとは限りません。
また、間取り変更など、大規模なリノベーションを予定している方は、建物の構造も確認しましょう。
鉄筋コンクリート造の建物の構造は、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2つに分けられますが、一般的な団地で採用されている構造は「壁式構造」です。
壁式構造では壁が建物を支えているため、壁を取り除くことができません。
したがって、間取り変更を行うことができなくなってしまうので注意が必要です。
まとめ
中古住宅を購入してリノベーションすることを検討している方は、一戸建てやマンションだけでなく、団地も選択肢に含めてみてはいかがでしょうか。
団地は築年数が経っている建物が多く、新築物件だけでなく、他の中古物件よりも安く購入できるメリットがあります。
また、敷地内には広場や公園、スーパーマーケットがあり、生活圏を団地内で完結することも可能です。
緑が豊かで開放感のあるエリアで暮らしたい方は、団地を購入してリノベーションすることをおすすめします。