2024.6.22

リノベーションに建築確認申請が必要・不要なケースは?2025年法改正の注意点についても解説

建築物が法律に違反していないかを確認する建築確認申請は、新築の家を建てる際に必ず必要とされます。  

 

万が一違反が発覚すると、計画通りの工事が行えなくなるだけでなく、場合によっては罰則が科される可能性もあります。 

 

一方で中古住宅をリノベーションやリフォームする場合には、建築確認申請が必要なのか、気になる方も多いのではないでしょうか。   

 

そこで今回は、リノベーションにおける建築確認申請が必要な場合とそうでない場合について解説します。

 

また、2025年4月に施行される法改正による変更点や注意点についても詳しくご説明しますので、ぜひ参考にしてください。

 

建築確認申請の基本知識

まずは建築確認申請の基本知識について解説します。

 

建築確認申請とは?

「建築確認申請」は、建築基準法に基づいて義務付けられた手続きで、新築の建物計画が関連法令に適合しているかを公的に審査することを目的としています。  

 

工事の着工前に、設計図や関連資料を提出し、建築基準法や都市計画法、その他の条例に適合しているかどうかを、建築主事(自治体の担当部門)または国が認可した確認審査機関が詳細に確認します。  

 

また、建築確認申請から引き渡しまでの具体的な流れは以下の通りです。

 

建築計画の作成

建築確認・「確認済証」受理

建築着工

中間検査・「中間検査合格証」受理

工事完了

完了検査・「検査済証」受理

 

工事の着工前、工事中、そして完了後の3つの段階で調査を行い、その建物が法令に適合しているかを確認します。  

 

調査を複数回行うことからも、建築確認申請は建物を安全に利用できる環境を確保するために非常に重要な役割を果たします。  

 

さらに、新築に限らず、リノベーションにおいても工事内容次第では建築確認申請が必要となる場合があるため、十分な注意が必要です。

 

建築基準法における建物の区分

建築基準法の第六条では建物を「第一号から第四号」に区分しています。

 

第一号から第四号の定義は以下の通りです。

第一号建築物 映画館、病院、学校、百貨店などの特殊な用途で使用される建築物で、これらの用途に供される部分の床面積が100㎡を超えるもの
第二号建築物 木造の建築物で3階建て以上、または延べ面積が500㎡超え、高さが13m以上もしくは軒の高さが9mを超えるもの
第三号建築物 木造以外の構造で2階建て以上の建築物、または延べ面積が200㎡を超えるもの
第四号建築物 第一号から第三号までに該当しない建築物に加え、都市計画区域や景観法などで規定された区域内の建築物

 

上記から、一般的な木造2階建ての一般住宅は第四号に区分されることがわかります。

 

2025年4月の法改正で何が変わる?

現在の建築基準法では、木造2階建てや木造の平屋は「四号建築物」に分類されています。

 

そして、これまでは建築士が設計した四号建築物に関しては、構造関係規定などの審査を省略できる「四号特例」が適用されていました。

 

しかし、2022年6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能向上関連法改正」により、木造2階建てと延べ床面積200㎡を超える平屋は「新二号建築物」、延べ床面積200㎡以下は「新三号建築物」に分類されることとなりました。

 

2025年4月の法改正以降は、新二号建築物に該当する建物は建築確認・検査や構造規定の審査を受けなければならないので注意してください。

 

リノベーションで建築確認申請が必要なケース

建築確認申請の基本知識について解説しましたが、ここからはリノベーションで建築確認申請が必要となるケースについて解説していきます。

 

増築を行う場合

建築物の区分に関わらず、増築を行う場合は建築確認申請が必要となります。

防火・準防火地域 増築を行う場合
防火・準防火地域以外 10㎡を超える増築を行う場合

 

都市部や中心市街地に建つ建物は、火災時の延焼を防ぐ目的で「防火地域」や「準防火地域」に指定されるケースが多いです。

 

そのため、これらの地域で増築を行う場合、基本的に建築確認申請が必要です。  

 

一方で、こうした指定がない地域では、延べ面積が10㎡を超える増築を実施する場合に、原則として建築確認申請が求められます。  

 

屋根の葺き替えやカバー工法を行う場合

四号建築物以外の住居の屋根で葺き替えやカバー工法を行う場合は、建築確認申請が必要となるケースがあります。

葺き替え ・下地まで替える場合

・主要構造部を半分以上交換する場合

カバー工法 ・施工後に荷重が増加する場合

 

一方で、下地に手を加えない「屋根塗装」の場合は確認申請が不要です。

 

外壁全体を改修する場合

四号建築物以外の住宅で外壁全体を改修する際には、建築確認申請が必要となる場合があります。  

 

ただし、外装材のみを交換する場合や、既存の外壁材の上に新しい外壁材を重ね張りするだけであれば、確認申請は不要です。  

 

スケルトンリノベーションを行う場合

四号建築物以外の住宅でスケルトンリノベーションを実施する場合には、建築確認申請が必要となる場合があります。  

 

スケルトンリノベーションとは、柱や梁などの構造部分を残しつつ、内装を大きく変更したり、間取りを全面的に見直したりする規模の大きな改修工事のことを指します。  

 

リノベーションの内容が確認申請の対象となるかどうかは、事前にリノベーション会社へ相談しておくと安心です。  

 

リノベーションで建築確認申請が不要なケース

建築確認申請が必要なケースがある一方で、確認申請が不要なリノベーション工事もあります。

 

設計から引き渡しまでの流れが変わるため、双方のケースを把握しておきましょう。

 

マンションの専有部分をリノベーションする場合

マンションリノベーションで個人が自由に工事を行える範囲は、専有部分に限定されます。  

 

専有部分は建物の構造や共用部分に影響を与えないため、基本的に建築確認申請は不要です。  

 

ただし、マンションごとに管理規約が定められており、その内容に従う必要があります。

 

工事を進める前に、必ず管理規約を確認しておくことをおすすめします。  

 

四号建築物をリノベーションする場合

四号建築物とは、第一号から第三号に該当しない小規模な建築物を指します。  

 

規模が小さいため、工事内容によっては建築確認申請が不要となる特例が設けられています。  

 

ただし、改修工事が安全性や耐震性に影響を及ぼす可能性がある場合は、確認申請が必要になることがあるため、事前に確認することが重要です。  

 

一戸建て住宅を小規模リフォームする場合

一戸建て住宅における小規模なリフォームでは、建築確認申請が不要な場合が多いです。  

 

例えば、内装の塗装や壁紙の張り替え、キッチンや浴室などの設備交換といった、建物の構造に影響を及ぼさない工事が該当します。  

 

ただし、増築や耐震補強など、建物全体に関わる改修工事では申請が必要となる場合があるため、事前に適用範囲を確認することが重要です。  

 

まとめ

建築確認申請は、建物を長く安全に利用するために欠かせない重要な手続きです。 

 

「自分のリノベーション計画が建築確認申請に該当するか分からない」という方は、ぜひプロシードデザインへご相談ください。

 

資格を持つ建築士が専門的な視点でお客様の計画を丁寧にサポートします。  

 

また、築古住宅を綺麗に再生した豊富な施工事例もご紹介していますので、住宅の価値を向上させたい方はぜひ一度ご覧ください。

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