2024.7.22

リノベーションに建築確認申請が必要・不要なケースは?2025年法改正の注意点についても解説

建築物に違法性がないかチェックする建築確認申請は、新築で住まいを建てる際は必ず必要になります。

 

一方で、中古住宅をリノベーションやリフォームしようと考えている方は、建築確認申請が必要か気になっているのではないでしょうか?

 

万が一違反をしてしまうと、設計通りに工事を行うことができず、最悪の場合は罰則を受けてしまう可能性もあります。

 

そこで今回は、リノベーションに建築確認申請が必要・不要なケースについて紹介します。

 

また、建築確認申請に関する法改正が2025年4月に施行されるため、変更点や注意点についても解説するので参考にしてください。

 

建築確認申請の基本知識

まずは建築確認申請の基本知識について押さえておきましょう。

 

建築確認申請とは?

「建築確認申請」は建築基準法に基づき義務付けられている手続きで、建物を新築する際にその計画が関連する法令に準拠しているかを公的に審査することが目的です。

 

着工前に設計図や設計関連資料をもとに、建築基準法、都市計画法、その他の条例に適合しているかを、建築主事(地方自治体の担当部門)または国が指定した確認審査機関が詳細に確認します。

 

また、建築確認申請を行ってから引き渡しまでの流れは次のとおりです。

 

建築計画の作成

建築確認・「確認済証」受理

建築着工

中間検査・「中間検査合格証」受理

工事完了

完了検査・「検査済証」受理

 

着工前、工事中、完了後の3段階で調査を行うことで、その建物が法令に違反していないかを確認します。

 

つまり、建築確認申請は、人々が安全に建物を利用できるようにするために非常に重要な役割を果たしています。

 

また、新築だけでなく、リノベーションでも工事内容によっては「建築確認申請」が必要となる場合があるため注意が必要です。

 

建築基準法における建物の区分

建築基準法の第六条では建物を「第一号〜第四号」に区分しています。

 

第一号〜第四号の定義は以下のとおりです。

第一号建築物 映画館、病院、学校、百貨店などの特殊な用途で使用される建築物で、これらの用途に供される部分の床面積が100㎡を超えるもの
第二号建築物 木造の建築物で3階建て以上、または延べ面積が500㎡超え、高さが13m以上もしくは軒の高さが9mを超えるもの
第三号建築物 木造以外の構造で2階建て以上の建築物、または延べ面積が200㎡を超えるもの
第四号建築物 第一号から第三号までに該当しない建築物に加え、都市計画区域や景観法などで規定された区域内の建築物

 

上記から、一般的な木造2階建ての一般住宅は第四号に区分されることがわかります。

 

原則マンションリノベーションは確認申請が不要

マンションのような集合住宅の場合、リフォームやリノベーションにおいて確認申請は原則不要です。

 

その理由は、マンション工事は基本的に室内の専有部分に限られるため、確認申請の対象外となるからです。

 

例外として、1階に住んでいる住人が庭を増築するような工事を行う場合は確認申請が必要になる可能性があります。

 

ただし、マンションには個々の管理規約があり、全ての工事が許可されるわけではないため、事前の確認が必要です。

 

リノベーションで建築確認申請が必要なケース

建築確認申請の基本情報について解説しましたが、ここからはリノベーションで建築確認申請が必要となるケースについて解説していきます。

 

増築を行う場合

建築物の区分に関わらず、増築を行う場合は建築確認申請が必要となります。

防火・準防火地域 増築を行う場合
防火・準防火地域以外 10㎡を超える増築を行う場合

 

都市部の建物が密集しているエリアや中心市街地付近は、火災時の延焼を防ぐために「防火地域」や「準防火地域」として指定されることが多いです。

 

そのため、「防火・準防火地域」では、増築を行う際に基本的に確認申請が必要となります。

 

一方で、指定を受けていない区域では、延べ面積が10㎡を超える増築を行う際に原則として確認申請が求められます。

 

屋根の葺き替えやカバー工法を行う場合

四号建築物以外の住居の屋根で葺き替えやカバー工法を行う場合は、建築確認申請が必要となるケースがあります。

葺き替え ・下地まで替える場合

・主要構造部を半分以上交換する場合

カバー工法 ・施工後に荷重が増加する場合

 

一方で、下地に手を加えない「屋根塗装」の場合は確認申請が不要です。

 

外壁全体を改修する場合

四号建築物以外の住居の外壁全体を改修する場合は、建築確認申請が必要となるケースがあります。

 

外装材のみを交換したり、既存の外壁材の上に新しい外壁材を重ねたりする場合は、確認申請が不要です。

 

スケルトンリノベーションを行う場合

四号建築物以外の住居でスケルトンリノベーションを行う場合は、建築確認申請をしなければならない可能性があります。

 

スケルトンリノベーションとは、梁や柱などの躯体部分のみを残して内装を大幅に変えたり、家全体の間取りを変更したりする際に行われる大規模なリノベーション工事のことです。

 

確認申請が必要な程度の工事を行うか、リノベーション会社に確認してください。

 

リノベーションで建築確認申請が不要なケース

建築確認申請が必要なケースがある一方で、確認申請が不要なリノベーション工事もあります。

 

設計から引き渡しまでの流れが変わるため、双方のケースを把握しておきましょう。

 

マンションの専有部分をリノベーションする場合

マンションをリノベーションする場合、個人が自由に工事できる範囲は専有部分に限られます。

 

そして、専有部分は建物の構造や共有部分に影響を及ぼさないため、建築確認申請は原則不要です。

 

ただし、マンションのリノベーションは、建物ごとに定められた管理規約に従う必要があるため、事前に規約の確認を行いましょう。

 

四号建築物をリノベーションする場合

四号建築物とは、第一号から第三号建築物に分類されない比較的小規模な建築物です。

 

建物が小規模であることから、工事内容によっては確認申請を必要としない特例があります。

 

ただし、改修によって安全性や耐震性に影響が及ぶ場合は、確認申請が必要となるため事前に確認が必要です。

 

一戸建て住宅を小規模リフォームする場合

一戸建ての住宅で、小規模なリフォームを行う場合は建築確認申請が不要です。

 

例えば、内装の塗り替えやクロスの張り替え、キッチンや浴室など設備の交換など、構造部分に影響しない作業が該当します。

 

ただし、増築や耐震改修など、建物全体に影響を及ぼす改修では申請が必要となる場合がありますので、適用範囲を事前に確認することが大切です。

 

2025年4月の法改正で何が変わる?

現在の建築基準法では、木造2階建てや木造の平屋は「四号建築物」に分類されています。

 

そして、これまでは建築士が設計した四号建築物に関しては、構造関係規定などの審査を省略できる「四号特例」が適用されていました。

 

しかし、2022年6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能向上関連法改正」により、木造2階建てと延べ床面積200㎡を超える平屋は「新二号建築物」、延べ床面積200㎡以下は「新三号建築物」に分類されることとなりました。

 

2025年4月の法改正以降は、新二号建築物に該当する建物は建築確認・検査や構造規定の審査を受けなければならないので注意してください。

 

まとめ

建築確認申請は、その建物を長く安全に使用するために欠かせない手続きであり、単なる手間や費用負担を増やすものではありません。

 

そのため、該当する工事を行う際は、必ず設計士によって建築確認申請を行ってもらうようにしましょう。

 

「自分のリノベーションプランは建築確認申請が必要か分からない」という方は、ぜひプロシードデザインにご相談ください。

 

建築士の資格を持つ専門スタッフが、お客様のリノベーションプランを全力でサポートいたします。

 

過去の施工事例では、築年数の経過した住宅を美しく再生した実例も豊富に掲載していますので、住宅の価値を高めたい方はぜひ一度ご覧ください。

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