マンションリノベーションでエアコンを設置する際の注意点とは?必要なものや設置場所について解説
快適に暮らすためにエアコンは重要な設備です。
しかし、購入した中古物件にエアコンが設置されていなかったり、設備が古く機能性が低下していたり、問題を抱えている可能性があります。
そのような場合は、リノベーション時にエアコンの再設置や必要な工事を行いましょう。
本記事では、エアコンを設置する際に確認すべきポイントや注意点について解説します。
特にマンションではエアコンを設置するための条件をクリアする必要があるため、事前に必ず確認しておきましょう。
既存のエアコンはそのまま利用しても大丈夫?
エアコン設備がついている中古マンションを購入した場合、既存のエアコンをそのまま利用しても大丈夫か気になる方も多いのではないでしょうか?
築年数が浅く、既存のエアコンが比較的新しい場合は、そのまま利用しても問題はありません。
しかし、配管の劣化などは外見から判断することが難しいです。
最悪の場合、配管から冷媒ガスが漏れてエアコンが正常に動作しなくなる恐れがあるため、内見時に動作確認を行うと良いでしょう。
また、現在使用しているエアコンを新しい住居に持っていく場合も同様に確認することをおすすめします。
エアコンを設置するのに必要なもの
エアコンは室内機(エアコン本体)だけでは動かないということを知らない方も少なからずいます。
まずはエアコンを設置する際に、一般的に必要とされるものを確認しておきましょう。
必要なもの | 役割 |
室外機 | 内蔵された圧縮機で冷媒ガスを循環させる |
専用コンセント | 電力消費の大きいエアコンに電気を送る専用のコンセント |
冷媒管 | 室内機と室外機を繋ぎ、冷媒を循環させる為の2本の配管 |
ドレンホース | 室内機で発生した空気中の水分を外部へ排出するための管 |
室内機だけでなく、以上のようなものを用意し、状態に問題がないことを確認しましょう。
エアコンを設置する際に確認すべきポイント
エアコンの備品を揃えたとしても、住まいの状況によっては設置することができません。
必ず次のようなポイントを確認してください。
・室外機を設置する場所があるか?
・外壁に配管を通す穴があるか?
・ドレンホースの勾配は確保されているか?
・エアコン専用のコンセントは準備されているか?
・ビルトインエアコンの取り付けは可能か?
室外機を設置する場所があるか?
購入した中古マンションに新たにエアコンを取り付ける際は、室外機を設置する場所が確保されていることを確認してください。
室外機は室外に設置することが一般的なため、ベランダのような日当たりや風通しの良い場所を選びましょう。
しかし、近隣への騒音問題や室外機からの熱が他の場所に影響を与えないように、設置場所には十分なスペースが必要です。
また、室外機の上や周囲に可燃物がないか、排気口が壁や窓に近すぎないかなども確認しましょう。
外壁に配管を通す穴があるか?
室外機を設置する場所が確定したら、次に室内機と室外機を繋ぐ配管を通すための経路を確保しましょう。
基本的に室外機と隣接する部屋の外壁に穴を開ける必要があるため、構造上の問題が発生しないように配慮する必要があります。
また、配管の長さや曲がり具合が適切かなどを事前に確認してください。
特に、築年数の古いマンションは、壁の構造が複雑な場合があり、穴を開ける工事の難易度が高いです。
エアコンの取り付け工事の実績があるリノベーション会社に依頼することをおすすめします。
ドレンホースの勾配は確保されているか?
エアコンを使用すると、室内機からドレン水と呼ばれる水が排出されます。
そして、ドレン水を室外に排出するために通す管をドレンホースと言います。
ドレンホースを配置する際は、ホース内を水がスムーズに流れるように、室外機に向かってわずかに勾配をつけなければなりません。
勾配が不足していると、ドレン水が逆流したり、室内に水が漏れ出す原因となるため、必ず確認してください。
エアコン専用のコンセントは準備されているか?
エアコンを使用するためには、専用のコンセントが必要です。
一般的なコンセントでは、電力が不足したり、故障の原因となる可能性があるため、必ずエアコン専用のコンセントを用意しましょう。
コンセントの容量や位置は、エアコンの機種によって異なりますので、事前に確認しておくことが重要です。
また、マンションでは、各住戸が使用できる電気容量が定められている場合があります。
エアコン専用のコンセントを取り付けることが可能であるか、規約を必ず確認してください。
ビルトインエアコンの取り付けは可能か?
天井にエアコン本体が埋め込まれているビルトインエアコンは、部屋がすっきりとした印象になるだけでなく、広い部屋の隅々まで風が行き渡るメリットがあります。
しかし、ビルトインエアコンを取り付ける場合は、事前に壁の構造や厚さなどを確認し、取り付けが可能かどうかを確認しなければなりません。
ビルトインエアコンは、一般的なエアコンよりも工事費用が高くなる場合があるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。
マンションリノベーションでエアコンを設置する際の注意点
ここからは、マンションリノベーションでエアコンを設置する際の注意点について解説します。
間取りを工夫する
エアコンの設置場所は、室内の温度分布や冷暖房効率に大きく影響するため、リノベーションの段階でエアコンの設置場所を考慮した間取り設計が重要です。
例えば、リビングの真ん中ではなく、壁際に設置することで、冷気が部屋全体に効率よく行き渡ります。
また、共用廊下側の部屋にエアコンを設置する場合は、室外機の置き場所に困る問題が発生し、無理に配管を伸ばさなければなりません。
そのため、玄関側の部屋を収納スペースや土間として活用する方法も検討してみてはいかがでしょうか
窓ガラスに配管を通す穴を開ける
マンションでは、外壁に直接穴を開けることが制限される場合があります。
そのため、窓ガラスに配管を通す穴を開けるケースも検討しなければなりません。
しかし、窓ガラスに穴を開けると、断熱性能が低下したり、雨漏りの原因になる可能性があります。
窓ガラスに穴を開ける際は、断熱性の高い材料で穴を塞ぎ、防水処理をしっかりと行いましょう。
また、管理規約で窓ガラスへの穴あけが禁止されている場合もありますので、事前に確認してください。
配管を壁に埋め込まない
配管を壁に埋め込むと、見た目もスッキリし、室内空間を広く使えるというメリットがあります。
しかし、配管が漏水した場合、壁を壊して修理する必要があり、費用も時間もかかります。
また、将来、エアコンの移設や交換を行う際に、再度壁を壊す必要があるかもしれません。
そのため、配管は露出させておくか、点検口を設置するなど、メンテナンスしやすいようにしておきましょう。
まとめ
マンションのリノベーションでエアコンを設置する際は、快適な住空間を実現するために、計画の初期段階から入念な検討が必要です。
設置場所や配管経路、室外機の配置など、さまざまな要素を考慮し、事前に確認すべき点が数多く存在します。
特に、マンションの管理規約には、エアコンの設置に関する制限事項が定められている場合があるため、規約をしっかりと確認して違反しないよう注意してください。
また、窓ガラスに穴を開けて配管を通す場合や配管を壁に埋め込む場合は、断熱性や防水性、将来的なメンテナンスのしやすさなど、さまざまな点に配慮する必要があります。
本記事で解説した注意点に加え、専門業者と密に連携することで、よりスムーズかつ安全なエアコン設置が可能となります。
快適な住環境を実現するために、本記事をぜひ参考にしてみてください。