リノベーションとリフォームの違いとは?定義やメリット&デメリットを解説!
近年、インターネットやテレビなどで「リノベーション」という言葉を見かけるようになった方も多いでしょう。
しかし、間違った意味で使われていることも多く、「リフォーム」などの似た言葉と混同してしまっている方もいるかもしれません。
そこで今回は、リノベーションとリフォームの定義の違いやメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。
特に住宅の改修を検討している方は、言葉の意味を正しく理解しておきましょう。
リノベーションとリフォームの違いとは?
リノベーションとリフォームは、どちらも住まいの改修工事を表す言葉として使われるため、違いを明確に理解できていない方も多いでしょう。
それぞれの言葉を区別する明確な基準があるわけではありませんが、一般的に次のような定義がされています。
定義 | 工事の規模 | 主な施工内容 | |
リノベーション | 性能や価値を向上させる工事 | 大規模な傾向が多い | ・間取り変更
・断熱や耐震工事 |
リフォーム | 元の状態や性能に戻す工事 | 小規模から大規模まで幅広い | ・内装の修復
・設備の交換 |
ここからはリノベーションとリフォームの定義について詳しく解説します。
リノベーションの定義
リノベーションとは、既存の住宅やマンションの間取りや機能を住む人のライフスタイルに合わせて大幅に刷新し、新しい価値を生み出す改修工事のことです。
内装や配管をすべて解体し、間取りをゼロから再設計することで、快適な空間を作り上げます。
例えば、ファミリー向けの3LDKをひとり暮らしに最適な1LDKに変更し、最新のIoT照明やスピーカーシステムを導入するなどが挙げられます。
単なる内装変更にとどまらず、住む人の暮らしやすさを最優先に住まいの性能や価値を向上させられることが最大の特徴です。
リフォームの定義
リフォームとは、経年劣化によって傷んだ内装や設備を新築時の状態に近づけるための改修工事です。
主に部分的で表層的な住宅の改修が行われます。
例えば剥がれた壁紙の貼り替えや古くなったキッチンの交換などが挙げられます。
住まいの老朽化に伴い、見た目や機能を回復させることを目的としており、現状を新築時のように修繕できることが特徴です。
リノベーションのメリットとデメリット
リノベーションのメリットとデメリットについては以下のとおりです。
メリット
リノベーションでは自由な設計が可能で、家族構成やライフスタイルに合った住空間を作り出し、結果として資産価値の向上も期待できます。
特に間取りの変更や耐震補強、断熱材の充填など、建物の構造に手を加える工事は、表面的な補修を行うリフォームでは行えません。
理想の住まいを作りたいと考えている方はリノベーションがおすすめです。
デメリット
リノベーションは工事の規模が大きいため、費用が高額になりやすく、工期も長くなる傾向があります。
そのため、低予算で済ませたい方やすぐに新居で生活したいという方には向いていません。
また、工事を進める過程で予期しない問題が発生し、追加費用がかかることも少なくないため注意しましょう。
リフォームのメリットとデメリット
リフォームのメリットとデメリットについては以下のとおりです。
メリット
リフォームは、古くなった内装を綺麗にしたり、劣化した設備を交換したりすることで、新築のような住環境を手に入れられます。
そして、小規模な工事で済むため、比較的低いコストで行えます。
また、工事にかかる期間が短いため、数日から数週間で完了することが多く、日常生活に与える影響が少ないのも大きなメリットです。
デメリット
リフォームのデメリットは、表面的な修繕に限られるため、構造的な問題を解決することが難しい点です。
根本的な機能改善にはつながらないため、定期的にメンテナンスを続ける必要があるでしょう。
主なリノベーションの費用相場
リノベーションの費用相場は500万円から数千万円と幅広く、施工内容や施工面積によって大きく変動します。
これから紹介する施工内容別のリノベーション費用を、予算を決める際の参考にしてください。
内装
内装のリノベーションでは、クロスや床材の張り替え工事が一般的に行われます。
また、ファミリータイプのマンションを広々とした二人暮らし用のマンションに造り変えることも人気で、リビングに隣接する空き部屋との間仕切り壁を取り除き、リビングを拡張する工事もよく行われます。
施工内容 | リノベーション費用 |
クロスの張り替え | 約6万〜8万円 |
床材の張り替え | 約10万〜30万円 |
リビング拡張 | 約40万〜90万円 |
間取り変更
近年では、家族の構成やライフスタイルに合わせて、部屋を区切る壁を撤去し、間取りを変更するリノベーションが増加しています。
間取り変更を行うためには、大規模な工事が必要となるケースが多いですが、より快適で暮らしやすい住まいを実現できます。
間取り変更にかかる費用は、元の間取りからどの程度変更するかによって大きく異なるため、リノベーション会社に見積もりを出してもらうと良いでしょう。
施工内容 | リノベーション費用 |
間仕切り壁の撤去 | 約10万〜25万円 |
間仕切り壁の設置 | 約10万〜25万円 |
水回り
キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りは、日常的に使用頻度が高いため、劣化しやすい場所です。
そのため、設備を新しくすることで、家事の効率が向上し、日常生活にもゆとりが生まれます。
中古マンションを購入した際には、まず優先的にリノベーションすることを検討した方が良いでしょう。
施工内容 | リノベーション費用 |
キッチンの交換 | 約50万〜100万円 |
ユニットバスの交換 | 約50万〜150万円 |
トイレの交換 | 約15万〜50万円 |
洗面所の交換 | 約10万〜50万円 |
また、設備を交換するだけでなく、壁紙・床材の張り替えやドア交換をした場合は追加の費用がかかります。
外壁・屋根
マンションの場合、共用部分にあたる外観は管理組合による修繕計画のもとで行われるため、個人の自由でリノベーションすることができません。
一方で一戸建ては、建物全体を個人が所有しているため、外壁や屋根を改修することが可能です。
劣化した箇所を修繕することで耐久性の向上や外観を美しく保つことができ、住まいの寿命を延ばす効果が期待できます。
施工内容 | リノベーション費用 |
外壁塗装 | 20万〜70万円 |
外壁張り替え | 100万〜200万円 |
屋根塗装 | 30万〜100万円 |
屋根葺き替え | 150万〜250万円 |
住宅性能向上
耐震補強や断熱材の充填などの住宅性能を向上させる工事は、建物の構造部分に手を加える工事のため、リフォームではなくリノベーションを選択する1つの理由となっています。
住宅性能が向上することで、より快適な暮らしを実現できるでしょう。
施工内容 | リノベーション費用 |
耐震補強 | 20万〜200万円 |
断熱材の充填 | 4千〜3万円/㎡ |
バリアフリーリフォーム | 手すりの設置:5千〜5万円
段差の撤去:5万〜28万円 |
まとめ
リノベーションとリフォームの定義は明確には決まっていません。
ただし、リノベーションは性能や価値を向上させること、リフォームは劣化した箇所や設備を修繕することを目的とした工事を指す言葉として使われます。
そのため、既存の住まいや購入予定の中古住宅を理想の住まいに作り変えたい方は、リフォームではなくリノベーションを行いましょう。
また、リノベーションにかかる費用は数百万〜数千万円と幅広く、施工内容や面積、建物の状態をもとに算出されます。
リノベーションを検討している方は、一度リノベーション会社に見積もりを出してもらいましょう。