増築リフォームの施工事例と費用相場を一覧で紹介!確認しておくべき注意点も解説
所有している一戸建てが手狭に感じている方は、増築リフォームの手段を考えてみてはいかがでしょうか?
増築リフォームは住宅の床面積を広くするリフォームのことを言い、居室や水回りの数を増やし、家族構成が変わっても快適な暮らしを叶えられます。
ただし、増築するためには様々な法律の制限をクリアする必要があるなど、注意が必要です。
そこで今回は、増築リフォームの施工事例と費用相場を一覧で紹介し、メリット&デメリットや注意点を解説します。
増築リフォームを検討している方は参考にしてください。
増築リフォームとは?
増築リフォームとは、建物の床面積を増やすことで居住空間を拡張する工事のことを指します。
「床面積を増築して広げる」「階数を増築して増やす」「水回りを増築する」などの工事は全て増築工事に該当します。
また、増築と合わせて改築という言葉が用いられることもありますが、改築は床面積は変えずに、間取り変更や建て替えを行う工事のことです。
工事の目的や内容は違うため注意しましょう。
増築リフォームを行うメリットとデメリット
増築リフォームは床面積を広げて居住スペースを増やせることが最大のメリットです。
そのため、家族が増えて新たな個室を作りたい、収納スペースが足りていないなどの問題を解決するために有効な手段です。
また、増築リフォームは建て替えと比べると工期が短く、住み続けながら工事を行えるため、コストを抑えられます。
一方で、2階部分を増築する場合は重量が増えるため、建物の強度を補強しなければならない可能性があります。
既存の建物の状態やどのような増築リフォームを行うかによってメリットとデメリットの割合が変わるため、一度リフォーム会社に相談しましょう。
増築リフォームの施工事例と費用相場
増築リフォームの主な施工方法は以下の3つに分けられます。
・床面積を増築して広げる
・階数を増築して増やす
・水回りを増築する
それぞれの施工事例と費用相場について詳しく解説します。
床面積を増築して広げる場合
一般的な木造住宅を増築リフォームすることで、床面積を増築することができます。
床面積が広がることで、子ども部屋の数を増やしたり、広々としたリビングを作ることが可能です。
リフォーム費用は1坪あたり70万円前後が相場です。
ただし、防火地域・準防火地域の建物で10㎡以上の増築を行う場合、建築確認申請の申請費用や手数料として15万〜30万円程度を支払う必要があります。
階数を増築して増やす場合
平屋を2階建てにする工事も増築リフォームに該当します。
建物の階数を増やすことで二世帯住宅に用途変更することが可能です。
1坪あたり120万円が費用相場です。
1階の床面積を広げる工事と比べて費用が高いですが、平屋を解体して建て替えることと比べて費用を抑えることができます。
また、10㎡を超える増築をする場合は、申請費用や手数料がかかることも押さえておきましょう。
水回りを増築する場合
キッチンや浴室、トイレの数を増やすことで二世帯住宅にしたり、水回りの床面積を広げることが可能です。
ただし、他の増築リフォームとは違い、配管工事や水回り設備を整える費用がかかります。
床面積を増築する費用は70万円前後ですが、配管工事費と水回り設備の購入費用を加えると総額200万円前後を見込んでおくと良いでしょう。
増築リフォームのプランニングで重要な5つのポイント
ここからは増築リフォームのプランニングで重要な5つのポイントについて解説します。
ポイント1.法令をクリアして実現できるか?
建築基準法や都市計画法などの法令で、建物の建ぺい率や容積率には制限が設けられています。
そして、建築確認申請を行政に提出し、許可を得られなければ着工することができず、プランを見直す必要があります。
そのため、増築リフォームのプランニングをする際は、設計が法令に適合しているかどうかを最初に確認しましょう。
また、地域によっては景観条例など独自の法令が存在するため、リフォーム会社とプランニングを進める前に役所で確認しておくことをおすすめします。
ポイント2.耐震性を満たしているか?
地震大国の日本では、増築を行うにあたって十分な耐震性を確保できているか確認することは欠かせません。
既存の建物が劣化している場合、増築した部分の重さに耐えられず、大きな地震が発生した際に倒壊してしまう恐れがあります。
また、既存部分と増築部分の接続が弱いと建物が倒壊する原因となります。
専門家にインスペクション(住宅診断)をしてもらい、必要に応じて耐震補強工事を行いましょう。
ポイント3.生活導線の変更に支障はないか?
増築リフォームを行うことで生活動線が変わってしまう場合があります。
例えば、増築によって寝室とトイレまでの距離が遠くなったり、洗濯機置き場と干す場所が離れてしまったりすることで、不便さを感じてしまうかもしれません。
生活導線を考慮して、増築リフォームのプランニングを行いましょう。
ポイント4.日当たりや風通しに問題はないか?
増築によって新たに作られる空間が、十分な日当たりと風通しを確保できるかどうかは、快適な住環境を維持するために重要なポイントです。
隣接する建物や既存の家屋の影響で新しい部屋が暗くなったり、風通しが悪くなったりすると健康に影響を及ぼす可能性もあります。
設計士と打ち合わせを重ねながら慎重にプランを決めていきましょう。
また、増築することによって近隣住宅に迷惑がかかってしまわないように配慮することも忘れないようにしましょう。
ポイント5.外観の見映えは統一されているか?
既存の建物とは違う素材やデザインの建材を使用してしまうと、家全体の外観が統一されなくなってしまいます。
外観の見映えが悪くなってしまわないように、バランスを考慮して増築部分に使用する建材を選びましょう。
また、外壁は紫外線や雨風の影響を受けるため、塗装が剥がれてしまっていたり、色褪せている可能性があります。
別々にリフォームを行うと費用が高くなってしまうため、増築と同時に既存の建物の外観リフォームも検討してみると良いでしょう。
増築リフォームで知っておきたい申請や税金について
増築リフォームを行う上で知っておきたい申請や税金に関する用語がいくつかあります。
これから解説する用語の意味は必ず押さえておきましょう。
建築確認申請
増築リフォームを行うには、建築確認申請が必要な場合があります。
建築確認申請とは、増改築や新築工事によって建てられた建物が建築基準法に準拠しているかを確認するための手続きです。
申請が必要な基準は、増築部分の規模や用途によって異なりますが、原則として床面積が10㎡を超える増築には申請が求められます。
建物表題変更登記
増築リフォームを行った際には、建物の表題変更登記が必要になることがあります。
建物表題変更登記とは、建物の構造や床面積、用途などに変更が生じた場合に、不動産登記簿の情報を修正・更新するための手続きです。
増築により建物の床面積が変更された場合や用途が変わった場合には、この登記を行わなければなりません。
登記が遅れると、登記名義人の権利保護が不十分となり、将来的にトラブルになる可能性があるので注意しましょう。
固定資産税
増築リフォームを行うと、固定資産税が増額される可能性があります。
固定資産税は、土地や建物などの固定資産に対して課される税金で、毎年1月1日時点の固定資産評価額に基づいて算出されます。
増築によって建物の価値が上がると、その分評価額も上昇し、結果として固定資産税が増額されることがあります。
事前に増築リフォームの内容や規模を考慮し、税負担を見積もっておくことが大切です。
まとめ
家族構成やライフスタイルの変更に合わせて住まいを作り変えたい方は、建て替えを行うよりも費用を抑え、工期を短くできる増築リフォームがおすすめです。
増築リフォームをすることで、理想の住まいに近づけたり、二世帯住宅仕様の住まいに用途変更できます。
ただし、建築基準法に準拠した設計にしなければならないなど、注意点もいくつかあるため、専門的な知識を持つリフォーム会社に相談しましょう。
増築リフォームを検討している方は本記事を参考にしてください。